監督、脚本、製作
広島県呉市広町の養護学級を舞台に、ユニークな埴輪作品を通して太陽と流れる汗の中から自立の道を求めている担任の教師、生徒、卒業生たちを描いたドキュメンタリー。製作・脚本・監督は山田典吾。
ストーリー
まだ若かった藤岡先生に校長先生から養護学級「たけの子学級」の担任を、と声がかかったのは昭和39年のことだった。それから藤岡先生の“手さぐりの教育”が、生徒たちに根気を養いやる気を出させ、自信をもった卒業生を社会に送り出すまでには、毎日の努力が毎年も続いた。養護学級に入ってくる子供たちの家庭は、母子家庭が多く、知的障害だけでなく体力も劣っていた。十年間続いた毎朝のマラソン、裏山の開墾、体ごと学ぶたけの子学級の精神。じっくりと遊ぶことから始ったたけの子学級の成果は、開墾、栽培、飼育、収穫などの営みと共に、粘度掘りから仕上げまで自分の手で行う「埴輪作り」に結晶していった。だが子供たちの努力が実り始めた頃--昭和46年のドル・ショックがもたらした不況は、心身障害者を雇っている零細企業で働く卒業生を、解雇通告で不意打ちした。「真っ先に解雇される不安」と常に向き合っていることを知った卒業生たちは、自分らの努力が安心して実る「たけの子村」の建設をめざして団結の輪を固めた。藤岡先生も彼らの仲間に加わった。日々に集まる支援の中で、彼等は、未来に向かい、一杯の太陽を浴びて、自立への鍬をふるっている。
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