石井まさみ
明
間寛平のヒット曲「ひらけ! チューリップ」(作詞・作曲山本正之)を原案に、クギ師とパチプロを主人公にしたロマン・ポルノ。脚本は岸田理生、監督は脚本も執筆している「黒薔薇昇天」の神代辰巳、撮影は「東京エマニエル夫人 個人教授」の前田米造がそれぞれ担当。
「玉五発勝負!」張りつめた空気の中で、盤面を跳ねるパチンコ玉。パチプロ見習いの洋は、若いが腕のある釘師・明に負けて、これで10連敗である。「わいが勝負に弱いのは、女にもて過ぎるからで、お前が強いのは、顔がへちゃむくれで女にもてないからやで」と、洋がぼやく通り、明は25歳になるのに童貞で、女が欲しくて、女パチプロとの勝負になると必ず負けてしまう。一方、洋はパチンコ屋の店員の牧子をはじめ手あたり次第。その牧子に明は惚れているのだった。そんなある日、明は思いきってデートの申し込みを書いた手紙を牧子に渡した。当日、明は牧子を待っていたが一向に来ない。その頃、牧子はヤクザな兄が警察に逮捕されたためにパチンコ屋を辞めようと決め、その相談で洋に会っていた。だが、おでん屋の純子と洋の取りあいになり、大喧嘩になってしまった。一方、完全に無視された明は、「俺は釘師に男を賭ける」と悲しい決意をする。ところが数日後、明の行方不明の父親が死亡し、九千万円の遺産がころがり込んだ。ただし、明が結婚している、との条件つきだった。洋は色々な女を明に紹介するが、やはり明が想いを寄せるのは牧子一人。最初は牧子を説得した洋だったが、いざとなると牧子を手離したくなくなり、そこで、パチンコで勝負する事になった。だが、洋の玉は意外にもチューリップを開かせた。明は自分から手を引いたのだった。洋は「俺かて男や、死んだ気でパチプロの修業をしてくる」と一年後の勝負を約束して、牧子とともに旅に出た。昼間の騒音が消え、ひっそりとしたパチンコ屋の店内。ひらけ、ひらけ、パッとひらけ、チューリップ……真暗な中で、呟きとも、歌ともつかぬ明の声が流れていた……。不感症の女パチプロと明の結婚式が行なわれたのは、それから間もなくだった。
明
洋
牧子
田村
西野
パチンコ屋女王人
さゆり
純子
明の義父
道子
質屋の老人
明の母親
弁護士
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