川津祐介
杉本俊夫
1975年4月30日、南ベトナムの首都、サイゴンは民族解放戦線の攻勢の前に陥落し、南ベトナム臨時革命政府が樹立された。この映画は、そうした歴史的な激動の地、ベトナムを舞台に三人の若者の脱出行を描く。脚本・監督は「修羅雪姫 怨み恋歌」を執筆した長田紀生、撮影は椎塚彰がそれぞれ担当。諸事情により未公開となっていたが、国立フィルムセンターに所蔵されていたネガと0号プリントを元に2012年10月にデジタル編集の上、修復完成。2013年にロッテルダム国際映画祭で正式招待作品として上映された。2013年9月21日より、広島県尾道市、福山市で開催された「お蔵出し映画祭2013」にて上映。2014年4月26日より、プレサリオの配給にて全国公開された。
1975年2月、南ベトナム--。日本人商社員・杉本俊夫は、テト(旧正月)でにぎわうサイゴンの町で、祖国を遠く離れた勝手気ままな生活を思う存分楽しんでいた。だが、ある日、杉本は殺人事件を起こしてしまった。ふとした偶然から、現地雇いのベトナム人・フンを殺してしまったのだ。金と力にまかせて自由気ままに他国で振るまっていたこの一人の日本人は、一転して殺人者となってしまった。逃亡者としての杉本に、ベトナムの大地がたちはだかっていた。絶望的な逃亡と、さらに重ねた殺人の末に、杉本は、彼の友人の太田の車を奪い、ベトナムからの脱出を試みた。北端の町・ユエから、徴兵を嫌って国外へ逃亡する若者たちのための密航船が出港する。その密航船に乗り込むのだ。同行するのは、杉本に献身的な愛を捧げるベトナム人女性・ランと、ベトナム人と日本人の混血の若者・タローである。タローは、かつて自分と母親を捨て、単身、故郷・日本へ帰ってしまった旧日本兵の父親に激しい愛憎の炎を燃やし、父親殺しの旅を夢みていたのだった。折しも、解放戦線の大攻勢が開始され、ベトナム全土には苛烈な戦火が渦まいていた。銃声や砲声が轟く戦場に、まるで、捨身の突撃をする如く、杉本の車は一路北へ向かった……。
監督、脚本
製作、企画
撮影
音楽
編集
照明
録音
効果
助監督
助監督
製作担当
製作担当
製作補
製作補
撮影助手
撮影助手
照明助手
照明助手
記録