大和田伸也
加納竜次
四年振りにメガホンをとった伊藤俊也監督が、日本各地の犬神憑きをベースに、自ら脚本を書いたもので、東京の技師と山村の乙女の結婚から、つぎつぎと起る異常で怪奇な現象を描く。脚本・監督は「女囚さそり けもの部屋」の伊藤俊也、撮影は「トラック野郎 天下御免」の仲沢半次郎がそれぞれ担当。
加納竜次は東京に本社がある東亜開発のウラン技師。仲間の安井と西岡と共に、ウラン鉱探査のため久賀村へやって来た。その時、西岡が車の運転をあやまって、小さなほこらをこわしてしまった。そして、途中で村の娘・麗子とかおりに出会い、加納は一年後、麗子と結婚。被露宴は東京で行われ、その会場で、西岡に異常が起きた。そして数日後、彼はビルの屋上から落ちて死亡。その西岡の葬儀の日、安井が多数の犬に恐われ死亡してしまう。この二つの事件から、麗子は三人が久賀村へ来た時の様子を竜次からくわしく聞いた。そして、それはまさしく犬神の悪霊であると感し、古くから家に伝わるお守りを竜次の首へかけ、昔から犬神統と呼ばれていた垂水家のかおりからの手紙に釘を打ち込んで、必死に祈った。そして、麗子自身に精神異常が起った。様子のおかしい麗子を竜次はいろんな医者にみせたが、一向によくならず、麗子の実家へ連れて帰り、憑きもの落しの祈祷師にたのむのであった。しかし、だんだん体力の衰えた麗子は竜次のうでの中で東京へ帰りたいと言葉を残し息をひきとった。自分の仲間と妻をうばった犬神の悪霊とは何んなのか。竜次はこの疑問をとくため調査を開始。またこのころ、ウラン鉱の作業所で奇怪な事件が起き、新しい鉱採法にきりかえた。その方法とは、硫酸を使用するもので、危険がともなうものであった。村の祭りの日、酒をのんだ村の若者たちがかおりを襲ったが、ちょうどそこを通りかかった竜次が彼女を救った。かおりの家からの帰路に、竜次は多量の池のさかなが死んでいるのを発見。そして、村人のなかにも井戸水を飲んで死亡するものがでた。竜次はすぐに鉱業所が原因だと気がつくが、村の者は、垂水家の者が井戸水に毒をまぜたと思い、垂水家を襲撃した。このことを磨子からきいた竜次はいそいで垂水家に向かうが時すでに遅く、君代、かおり、勇の三人は死亡。出かけていた隆作はこの事件でひどくショックをうけ、雷のなる夜に犬を連れて山の中に入り、犬を土の中にうめ、「犬神の呪いよ。村人にたたれ」と叫び犬の首を刀できるのであった。犬の首は宙を舞い、隆作の首へかみつき、隆作は死亡。それをみていた磨子。雷がなり、鉱業所は落盤をおこし、磨子の目は次第に異様な光を発っするようになった。竜次は垂水家惨殺を実行した村の若者の一人をつかまえ、剣持の家にやって来た。そこで彼はもっと恐しいことを知るのだった。誰もあけたことのない士蔵の中には、なんと狂人と化した長男の真一がいたのだ。そして、剛造と佐和はこの狂った真一に殺され、剛造は磨子のことを竜次にたのみ息を引きとった。しかし、その磨子の様子がおかしい。犬神が磨子に憑いたのだ。そしてまず磨子は村の若者を殺し、竜次をも狙うのであった。あの愛くるしい磨子の声はなく、奇怪な声を発する磨子。竜次と犬神憑きの磨子との死闘は続き、磨子の首を締める竜次。ぐったりとなった磨子の顔は次第にもとの磨子の顔にもどり、竜次は磨子を殺したと思い込み失意のあまり井戸の中へ飛びこむ。その時、水がほとばしり、磨子の顔へかかると磨子はいままでの可愛い磨子にもどるのであった。
加納竜次
加納麗子
剣持剛造
剣持佐和
剣持真一
剣持磨子
垂水隆作
垂水君代
垂水かおり
垂水勇
梶山
西岡
安井
司会者
職員A
職員B
職員C
桧垣
田辺
務
寿男
三郎
乙弥
駐在
青年団長
中年の男
作業員A
産婦人科医
産婦人科看護婦
精神科医
精神科院長
看護人A
看護人B
山伏
村の祈祷師
村の親族A
村の親族B
「カラ」に立つ女(霊媒)
監督、脚本
撮影
音楽
美術
編集
照明
録音
助監督
進行主任
企画
企画
スチール
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