菅原文太
星桃次郎
シリーズ五作目。今回のマドンナには片平なぎさを迎え、佐渡、北陸・金沢を舞台に物語はくりひろげられる。脚本は「トラック野郎 望郷一番星」の野上龍雄と澤井信一郎の共同、監督は「トラック野郎 天下御免」の鈴木則文、撮影は「新女囚さそり 701号」の飯村雅彦がそれぞれ担当。
真夏の国道十七号線を新潟方面に向って走る星桃次郎の“一番星”と松下金造の“ヤモメのジョナサン”。二人が巧みに警察のねずみ取りから逃れ、ドライバー仲間から幽霊峠と呼ばれる曽地峠にさしかかった時は、日もとっぷり暮れていた。緊張のあまりトラックを降りた桃次郎は、霧雨の中で浴衣姿の美しい女性と出会った。女性は「佐渡で……」と言葉を残し消えていった。以後、その幻の女性のとりこになってしまう桃次郎。一方、相棒の金造も道中拾った渡り鳥のマヤに熱を上げるしまつ。新潟につき、マヤの働くドライブイン「越後」で二人は新村譲治ひきいるタンクローリー車の“ジョーズ軍団”と出くわす。彼らは、女人トラック野郎こと紅弁天がとめるのもきかず自分たち以外のトラックが四チャンネルの無線を使うことを禁止し、他のトラックの無線をこわすのであった。このさわぎの中でも桃次郎は浴衣姿の女のことが気になり、金造はマヤが譲治の女であることを知り意気消沈。真夏の光をいっぱいにあび、二人は佐渡で分教所にエレクトーンを運ぶ仕事を請け負い、そこで分教所の先生・乙羽水名子と出会い、びっくり。というのも彼女こそ曽地峠の幻の美女であったのだ。金造は彼女の育ての親の作右ヱ門に砂金掘りを教えてもらうのであった。水名子のためにと、インスタント教師の役を買ってでた桃次郎は、水名子が近々結婚するという噂を聞き、大衝撃を受ける。涙ながらに佐渡をあとにした桃次郎は途中、ジョーズ軍団の挑発にのり、失恋の悲しさをはらすかのように大あばれするが、多勢に無勢。ガードレールに激突してしまう桃次郎。桃次郎を救ったのが紅弁天で、彼女から、譲治のあばれる理由を聞くのであった。そして、桃次郎は譲治に決闘をいどみ、男同志の死闘の結果、桃次郎に軍配が上がる。そして、失恋の痛手をいやす桃次郎のところに水名子から手紙が届く。そして、勘違いに気付いた彼は再び佐渡へ。子供たちと水名子をトラックに乗せ遠足へ出かける桃次郎。遠足の終る頃、水名子に愛をうち明けた桃次郎は、有頂天になり、そんな彼に仲人を買って出たのは譲治であった。しかし、折からの暴風雨が佐渡を直撃し、作右ヱ門の採掘道具を取りに川へ行った水名子は突然、鉄砲水にのまれて死亡。桃次郎を失意のドン底に陥し入れた。そして、運悪く金造が積んだ三千万円相当の鮮魚が重量オーバーのため、金造が逮捕されるというアクシデントが発生。金造を救うため、残された五時間以内に新潟まで鮮魚を運ばなければならない。桃次郎はジョーズ軍団や紅弁天の協力を得て警察の目を盗みやっとの思いでこの大役を果すのであった。エンジンの音も快調に爆走する一番星とジョナサンの二台の「ロマンの残党」は、ゆっくりと海岸線を遠ざかっていくのであった。
星桃次郎
松下金造
乙羽水名子
乙羽作右ヱ門
江波マヤ
吹田タケ子
カッコマン
黒とかげ
兼六丸
朱鷺丸
おけさ丸
兼六丸の妻
原子力発電所職員
原子力発電所・課長
百万石
角海村の老人
本間ウメ
荷主
西山角江
君子
静代
テル美
アケ美
ネズミとり警官
警官A
警官B
警官C
警官班長A
警官班長B
警官班長C
筑豊
四国
岩手
沖縄
紅弁天
新村譲次
監督
脚本
脚本
撮影
音楽
美術
編集
照明
録音
助監督
進行主任
企画
企画
スチル
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