小林旭
多羅尾伴内
七つの顔を巧妙に使い分け、悪を退治する私立探偵の姿を描く、比佐芳武原作の同題名小説の映画化。脚本は「日本の首領 野望篇」の高田宏治、監督は「トラック野郎 男一匹桃次郎」の鈴木則文、撮影は「発情痴帯」の出先哲也がそれぞれ担当。
超満員の観衆で湧き返る東京K球場で日本シリーズ第五戦が行なわれていた。得点は四対二。九回裏日報レッズ最後の攻撃で、バッター高塚は逆転満塁サヨナラホームランを打つ。ゆっくり一塁ベースへ走り出した高塚は、突然倒れ、死んでしまう。検死の結果、アイヌが熊狩りに用いる猛毒を使った針による他殺と判明する。翌朝、新聞社のカメラマン川瀬も同じ手口で殺された。川瀬の妹ゆう子は伴内に真相究明を依頼する。信愛医大理事長木俣あてに二度にわたり脅迫状が届く。これを知った伴内は白バイの警官に扮し、木俣の長男良教を捕え、誘拐に見せかけ、木俣から高塚、ルミ、良教の関係を聞き出し、三人が去年の夏、北海道へ行き、アイヌの若い男と幼児をひき殺した事を知る。北海道へ渡った伴内は、その若い男の妻であり幼児の母であったのが、木俣の秘書である真砂子であることをつきとめた。総ての事件を真砂子が仕組み、木俣を繰っている事を知った伴内は、真砂子にこれ以上罪を重ねる事を避けさせようとするが、真砂子は固く説得を拒んだ。ある日、真砂子は狐男に襲われ、瀕死の重傷をおう。良教と木田の娘、礼子の結婚式場で騒ぎが起こった。ウェディングケーキにナイフを入れた新郎新婦は驚ろきのあまり言葉を失なう。ケーキの切れ目から真赤な血がにじみ出て、ホールの照明が消え、どこからともなく女の呪うような声が聞こえてくる。天井に近い一角から、二つの灯りを持った男が現れた。男はおもむろに手を顔面にのばし、変装を解いていく。藤村大造と名のるその男は、今までの事件を全て解決し、闇の彼方へ消えていった。
多羅尾伴内
歌手
新村真砂子
川瀬ゆう子
望月八郎
瀬尾五郎
木俣良教
木俣ちか子
小泉登
種田金吾
歌手
歌手
石黒隆正
戸川計一
平田
島谷
楊伝明
三宅
江本
山本刑事
赤石刑事
隅刑事
三島刑事
中央署々長
深田一課長
津田鑑識係長
T署の警官
高塚
宮本球団社長
アナウンサー
球場職員
谷村外科部長
徳光明夫
穂高ルミ
ルミの付人
劇場係員
陽子
沙里
勝田の女房
吉村会頭
木田幹事長
木田夫人
木田禮子
アイヌ酒場の女
白坂香織
シムカニ媼
春日武夫
川瀬東介
宇田川警部
木俣信之
監督
脚本
原作
劇画
劇画
撮影
音楽
美術
編集
照明
録音
助監督
製作進行
企画
企画
企画
スチール