三浦友和
遠野翔
大宅歩著『詩と反逆と死』、『ある永遠の序奏』を素材として、しのびよる死の幻影と闘いながら、限りある日々を必死に生きようとした青春を描く。脚本は「四年三組のはた」の勝目貴久と「夏の栄光」で城戸賞を受賞した中岡京平の共同執筆、監督は「若い人(1977)」の河崎義祐、撮影は「告訴せず」の福沢康道がそれぞれ担当。
遠野翔は、高校時代のラグビー仲間、高梨健一を新潟県瓢湖に訪ねた。健一は白鳥の世話をしていたが、ある夜、密猟者に銃で撃たれ、息絶える。東京に帰った翔は、ラグビーの練習中に倒れてしまった。病院にかけつけた翔の母、久子は、翔が高校時代にラグビーで頭をケガし、その後遺症に苦しんでいる事を知る。取材旅行から帰り、翔の後遺症の事を知った父・進吾は、残り少ない命の翔を精一杯生きるように願った。数ケ月後、翔のもとへラガー仲間が集まり、リーグ戦優勝の酒宴が開かれた。その夜、翔は妹・光子の部屋で彼女が恋人にそそのかされて、父の原稿を盗もうとしているのを見つける。翔が激しく光子を責めた時突然、彼は発作を起こした。入院した翔は、医者から絶対安静を言い渡されながら、病院を抜け出し、ネオン街を彷徨する。水商売の女を連れた翔は、恋人の久美子の気持ちを悟り、酔ったふりをして、彼女に別れを告げる。夜行列車で瓢湖に着いた翔は、黙々とハンマーを振りあげ、白鳥のために働いた。そして、最後の白鳥が飛び去った夜、翔は静かにこの世を去った。
遠野翔
遠野進吾
遠野久子
遠野光子
遠野めぐみ
遠野努
久美子
ケン
ケンの父
ケンの母
石沢医師
西田
小松
アケミ
江藤
森口
マコ
木戸
白鳥おじさん
監督、製作
脚本
脚本
原作
製作
撮影
音楽
美術
編集
照明
録音
助監督
スチル
制作補
[c]キネマ旬報社