長門勇
松平国二郎
「涙の流し唄 命預けます」に続く、藤圭子主演第二作。脚本は「喜劇 冠婚葬祭入門」の宮川一郎。監督は「仁鶴・可朝・三枝の 男三匹やったるでぇ!」の長谷和夫。撮影は「望郷(1971)」の小杉正雄がそれぞれ担当。
藤圭子の初のリサイタルが開かれた。華やかなフット・ライトと、割れるような拍手の中で歌いながら、圭子はこれまでの長い道のりを回想した。北海道旭川、父は浪曲師松平国二郎、母はその曲師澄子。圭子が五歳の時、一家は炭鉱、飯場を興業して歩いた。圭子は小学校五年になった。国二郎は、もと弟子の左官職の下働きをし、澄子は料理屋で三味線を弾いて食っていた。しかし、貧乏に変わりはなかった。そんなある日久しぶりに国二郎が舞台に立つことができた折も折、母の眼が見えなくなった。穴埋めとして圭子は初舞台を踏んだ。圭子が中学三年の時、一家は常盤ヘルスセンターへ移り、圭子は生活のためにその尊属歌手となった。希望していた高校進学も断念せざるをえなかった。そんな彼女を大学浪人の吉田はいつも励ました。ある日、作曲家石中が、彼女の素質を買い、上京を進めた。圭子は母を連れ、汽車に乗った。石中のレッスンとドン底の生活はきびしかった。石中と圭子の血みどろのレッスンが続いた。父と幼い弟に仕送りするために流しをしなければならなかった。数カ月後、圭子は初めてレコードの吹込みをした。しかし、レコードは全々売れなかった。しかも、圭子に全力を打込む石中の激しさに妻道子は嫉妬し、夫婦間のトラブルは絶えない。圭子と石中の必死のキャンペーンが始まった。それは長い茨の道程だったが、二作目のレコードが爆発的に売れだした。そして今日、初のワンマンショーが開かれたのだ。ショーは大成功だった。幕が下る。涙ぐむ圭子。その姿を石中と道子が仲好く見守っていた。
松平国二郎
松平澄子
松平圭子
石中
妻道子
三輪一平
猪熊鹿蔵
吉田良太
斉藤
国松
圭子(五歳)
圭子(少女時代)
タカシ
タカシ(三歳)
タカシ(少年時代)
工員風の男
松原
監督
脚本
製作
製作
撮影
音楽
美術
編集
照明
録音
助監督
スチール
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