坂上也寸志
健一
地球征服を目指すサメに以た怪獣ジグラと、これを守ろうとするガメラの対決を描く。脚本は「樹氷悲歌」の高橋二三。監督、撮影も同作の湯浅憲明と上原明がそれぞれ担当。
人類は科学の進歩によって、自然を破壊する公害という大間題にぶつかった。広大な大字宙にも、地球同様の公害に悩む星があった。それは天体ナンバー一〇五系宇宙のジグラ星である。高度に発達した文明は公害を生み、住みにくくなった海中に生活する高等生物ジグラは、海のある惑星-地球を征服するべくやってきた。その頃、地球では、ペルーと中近東でマグニチュード十二という恐るべき大地震が相次いで起こった。この模様をTVニュースで知った国際海洋動物研究所の所員、石川洋介とトム・ウォーレスは調査のため、モーターボートで沖へ向った。その時突然、一条のグリーン光線がボートに命中し、ボート内に密かに忍んでいた彼らの子供健一とヘレン四人は、ジグラ星人の四次元光線にやられ、あっという間に宇宙船内に運ばれてしまった。石川とトムは、謎の女性Xに催眠術をかけられたが、健一とヘレンの活躍で脱出に成功する。が、ジグラ人の執拗な追跡で再び窮地におちいり、そこをガメラに救われた。早速、ジグラ星人対策本部が設置されたが石川とトムは催眼状態から覚めず、健一とヘレンの説明では宇宙船内の様子がはっきりと握めないため、対策本部隊員は焦りだした。一方、ジグラ星人は、秘密を知った健一とヘレンを殺すためXを上陸させた。健一とヘレンにXの魔手が伸びたとき動物飼育係が石川とトムの挙動がイルカに似ているのを発見し、それをヒントに石川とトム、Xを催眼状態から覚ますのに成功した。Xは日本月世界基地研究員の菅原ちか子で、地球征服の途中、月を攻撃したジグラに捕えられ、地球攻撃の手先にされていたのだ。地球防衛軍は、宇宙船に攻撃するが、ジグラのレッド光線によって全滅し、宇宙船もガメラの猛攻を受けて破壊された。海中に現われたジグラは、ジグラ星と地球の水圧の相違から巨大化して怪獣ジグラとなり、ガメラとジグラの決闘が開始された。優勢だったガメラは、ジグラにオレンジ色の細胞活動停止光線を浴せられ倒れた。石川、トムは深海潜水艇バチスカーフに乗り込み、ガメラの生死を確認するため潜行したが、ジグラによって日本海深く連れ込まれ、オレンジ光線を浴びて動けなくなってしまった。やがて、激しい落雷のショックで蘇ったガメラは、石川、トムを救出し、再度ジグラと対決する。苦戦しながらもジグラの武器を知りつくしたガメラは勝った。そして、ジグラの地球征服の野望を粉砕したガメラはどこえともなく飛び立っていった。