生きる 沖縄・渡嘉敷島集団自決から二十五年…
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生きる 沖縄・渡嘉敷島集団自決から二十五年…

公開日不明、戦争
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ストーリー

沖縄の渡嘉敷島という一離島で敗戦直前におこった集団自決の真相を掘り起こし、究明することが、天皇制を許容してきた、そして今なお許容している思想というものにメスを入れる事になる、という問題意識で、二十一歳と二十三歳の青年がこの島にやってきた。二カ月近く二人は頑なに沈黙を続けている村民の中に入りこんで、当初の問題に迫ろうとした。だが沈黙の壁はあまりにも厚く、如何ともしかたかった。しかし執念深く、聞き込みを続けていくに従って意外な事実が判ってきた。つまりあの集団自決の命令者は赤松大尉ではなく、村長であるという事である。調べれば調べるほど証言が集まってきた。しかし村民にとっては、赤松大尉が命令した事でなければ、心情的にも物質的にも困るのであった。というのは現在の村の最大の現金収入源は遺族年金であり、これは「赤松大尉の命令」という事で戦闘協力者として日本国家よりもらっているものである。それが一民間人である村長の命令という事になればもらえなくなる、という恐れがある。それゆえ村民は必死になって村長をかばっているのではなかろうか、という事がおぼろ気に二人の青年に判ってきた。それをあえて無視してまでまだまだあの真相を究明しえるのか、そして自分の問題意識でやってきた旅人の二人に現在の彼らの生活をおびやかす権利や資格があるのか、という事で大いに迷ったが、結局のところ彼ら二人はそれを暴く資格・権利がない、という結論に達し、集団自決の真相を究明する事を断念してしまった。当初の問題を放棄してしまった彼ら二人が、それから見たもの、見えてきたものは歌と踊りとそしてそれを根底の所で支えている「いのり」であった。その「いのり」は太平洋戦争で死んでいった祖父母、父母、兄弟そして子供に対してであった。また知らず知らずのうちにあの戦争に加担した自分に対してでもある。彼ら二人は、やがて、この島で当初の問題を放棄したために見てしまったものを背負って東京へ帰っていった。

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作品データ

製作国
日本
製作会社
無明舎
ジャンル
戦争


[c]キネマ旬報社