雁(かりがね)
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雁(かりがね)

1935年公開
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マゾ・ドゥ・ラ・ローシュ作の1万弗懸賞当選小説の映画化で、「泉」「痴人の愛」のジョン・クロムウェルが監督に当たったもの「嫌疑者」のギャレット・フォートがラリー・バックマンと協力して改作し、「心の痛手」のアンソニー・ヴェイラーが脚色している。主なる主演者は「痴人の愛」のケイ・ジョンソン、「街の花嫁」のアイアン・ハンター、「十字軍」のC・オーブリー・スミス、「虚栄の市(1935)」のナイジェル・ブルース、「幻の合唱」のデヴィット・マナース、本邦では新顔のペギー・ウッド、「巴里も夜もすがら」のジェシー・ラルフ、英国映画界から来たモリー・ラモント、「今日の男性」のセオドア・ニュートン等で、撮影は「野いばら」のエドワード・クロンジェガーの担当。

ストーリー

カナダの南オンテリオの片田舎、ジャルナ農園での出来事である。農園の主、ホワイトオーク家の当主はレニーという36才の働き盛り、彼には両親はなく、99才になる祖母のグラン、70才を越した独身の叔父2人がおり未婚の姉メッグが主婦役で、弟のビヤースは農夫、3男イーデンは詩人、4男はフィンチ、5男は9才のウェークという大家族である。イーデンはニューヨークの本屋から処女詩集を出版することとなり、赴いて本屋の女店員アレーン・アーチャーと共鳴し、恋をして1週間で結婚して農園へ帰る。一家は花嫁を歓迎したがレニーだけは家畜品評会へ出かけて不在だった。イーデンの結婚に刺激されたピアースも、かねて仲良しのフェザント・ヴォーンと結婚して晩餐の席上に現れる。するとメッグやグランはピアースの軽率を罵った。というのは、18年前メッグはモーリス・モーンと婚約していたのだがある日嬰児のフェザントがモーリスの子としてヴォーン家に持ち込まれたためにメッグは怒って婚約を破棄し、当のモーリスも自棄になってそれ以来酒浸りになっている、という因縁があるからである。そこへレニーが戻ってきたが、彼はピアースの肩を持ちフェザントをいたわった。アレーンはそれに好感を持った。アレーンは農園に住んでみると、次第に夫のイーデンの詩作の生活が無為と思われ、彼の詩に感興を覚えなくなった。その無為を乗馬でまぎらすようになった彼女は、馬好きのレニーの気持ちが判るような気がされ、ある日、森の中でレニーに遭うと、2人の唇はいつか互いに求め合っているのに自分ながら驚いたのであった。アレーンはこれはいけないと思い夫婦でニューヨークへ移る事となったが、イーデンが脚を怪我したので無期延期となった。そして病床のイーデンの介抱役はフェザントが勤め、それが2人を接近させた。そしてイーデン全快の祝いにピクニックが催された日、イーデンはフェザントと恋を語り、崖から飛び降りて自殺してしまった。イーデンの死はジャルナ農園の人々の心機を一転させた。メッグとモーリスが改めて婚約を結んだ事、別れてニューヨークへ帰途に着いたアレーンを追ってレニーが結婚を申し込んだ事などがそれである。そしてグランは100才の誕生日を迎えて益々の健勝であった。

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作品データ

原題
Jalna
製作年
1935年
製作国
アメリカ
初公開日
1935年
製作会社
RKOラヂオ映画


[c]キネマ旬報社