結城マミ
原口エリ子
セックスの介在しない四十男と女高生の奇妙な同棲生活を描いたロマン・ポルノ。脚本は「ルナの告白 私に群がった男たち」の佐治乾と、壷井昭治、監督は「看護婦(秘)カルテ 白い制服の悶え」の八巻晶彦、撮影は「宇能鴻一郎の濡れて立つ」の仁村秀信がそれぞれ担当。
港に一人の男が船から降り立った。潮の体臭、厚い胸板、小麦色の肌。船長の浦田である。浦田は決まった港のホテルで、決まった女・美奈を抱く。だが、この日、美奈が急用で来られないというので、ホテルの女主人に女の世話を頼んで、ひと休みしていた。しばらくたって、シャワーの音で目がさめた浦田は、そこにジーンズがはちきれそうな少女がいるのに気づき、後ろから抱きついた。少女は叫び声をあげて抵抗するが、浦田は強く抱きしめ、欲情を放出すると再び眠った。女主人にたたき起こされて、浦田ははじめて、少女がコールガールなどではなく、ホテルを手伝っているアルバイトの女学生だと知った。そして、彼女の父が海で死んだこと、母が寝こんでいることも知らされた。責任を感じた浦田は彼女にアパートを借りてやり、今後の経済的な面倒をみることも約束した。--二カ月後。少女、エリ子は浦田名儀のアパートにいた。母はすでに死んでいた。覚悟はできている、と言うエリ子だが、浦田は性欲の発散は美奈がいるので、エリ子にはSEXを求めようとは思わず、ただ彼女の不遇を救ってやりたいと思っているだけだった。ある日、美奈がエリ子の前で無理矢理、浦田に抱きついた。怒ってアパートを飛び出すエリ子。そんな毎日の中で、エリ子は、浦田に対して、反発と同時に、愛情のめばえを自覚していた。やがてエリ子は、卒業し、東京の就職も決まった。東京へ発つ前の晩、エリ子は浦田に体をあずけたが、浦田には彼女を抱くことはできなかった。「いつでも呼び戻してね」と言ってエリ子は発っていった。「これでいいんだ」浦田は自分に言いきかせるように、つぶやくのだった。
監督
脚本
脚本
製作
撮影
音楽
美術
編集
照明
録音
助監督
企画
スチール
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