背広三四郎 男は度胸 花の一本背負い
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背広三四郎 男は度胸 花の一本背負い

1961年3月12日公開、82分
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船戸順の背広三四郎シリーズの第二、第三作。前作「花のセールスマン 背広三四郎」のコンビ吉田精弥の脚本を、岩城英二が監督した。撮影は「サラリーマン奥様心得帖」の鈴木斌。

ストーリー

◇男は度胸 学生柔道NO1で今は日本コメットのセールス船山順一は新設の東海支店に転任したが、その彼を町のボス黒崎が冷く迎えた。順一のアイデアで赴任の途中セスナ機からまいた宣伝ビラを拾おうとした子供が黒崎組のトラックにはねられたのだ。子供は町道場の娘武田葉子の弟康治だった。料亭芳むらに本社からきた大野社長、北川綾子、それに黒崎ら町の有力者が集まって支店開設祝いの宴会が開かれた。黒崎は芸者の駒奴が順一と親しげなのが気に食わない。小田支店長も苦い顔。しかし大野社長は順一を激励し、彼に想いを寄せる綾子に休暇を与え一人本社に帰る。順一のアパートの部屋に友人の青木が居候に転がりこんできたが黒崎組の砂利トラックの運転手に就職が決り順一はホッとする。そのころ、太平洋商事専務の岩井、黒崎組のヤクザ大川、黒崎の三人が町の中心に観光ホテル建設の相談をしていた。話が決まれば岩井が出資、大川はヤクザから足を洗い葉子と暮せることになるのだ。黒崎組の土地買収が進み、大川は最後に残った武田道場の立退きを葉子に承諾してもらって喜び、黒崎に約束の盃を返してくれるよう頼むが仕事が完全に終るまではと突っぱねられる。一万、順一は東海中学の石井先生の頼みで康治たち少年に柔道を教えていたのだが、道場買収を知った康治は姉の葉子に頼んで売らせないようにした。大川は黒崎組の幹部高山らに叩きのめされ、道場を委任された順一にもいやがらせがあってコメットの売上げも激減。順一は黒崎組に資本を出すのが岩井と分ったので、その息子で親友の太郎に早速相談しようとするが、その日、太郎からだという呼び出しをうけた。約束の九時、城跡に出向いた順一の前には、太郎ならぬ黒崎組の一味がナイフを光らせていた。 ◇花の一本背負い 順一の一本背負いが炸裂、しかし決闘は通り合わせたパトロールの警官によって中断。翌日、留置場を出た順一を支店長や同僚は冷い目で迎えた。そのうえ黒崎がPTA会長をしている東海中学では、順一の教えている柔道の仲間に駒奴ら芸者がいることから教育上おもしろくないと役員が実地調査をすることになった。が、調査団は逆に真剣な練習風景に心うたれ、黒崎の脅迫的な態度をも押し切って柔道練習をつづけることに賛成の採決をした。芸者たちも黒崎につら当てストライキ、苦り切った黒崎は、学生時代、空手小天狗の異名をとった大川を利用して道場を売収しようと彼に順一との対決をそそのかした。一方、大野社長は北川綾子を連れて東京から駆けつけ、太郎や黒崎と観光ホテル建設中止を話し合っていたのだが、順一は高山に偽電話で呼び出され、大川と対決か、三百万円かと迫られた。ただし順一が勝てば道場売収は止めるという条件、順一は承知した。一方の大川は恋人の葉子と順一が関係していると黒崎に聞かされていたから怒りに狂った。黒崎らと話のついた大野社長と綾子がかけつけた時はもう遅く、決闘は始まっていた。一瞬の差で順一が勝った。その晩、両者の間で手打式が行われた。黒崎も今は大川に盃を返すことを許し、大川と葉子は一緒になった。順一と綾子の結婚式も間近かいだろう--大野社長はいささか憂うつ。二人が結婚すれば綾子という日本コメットの有能な女子セールスマンが一人いなくなるからだ。

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作品データ

製作年
1961年
製作国
日本
配給
東宝
初公開日
1961年3月12日
上映時間
82分
製作会社
東宝


[c]キネマ旬報社