警視庁物語 不在証明 十五才の女
警視庁物語 不在証明 十五才の女
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警視庁物語 不在証明 十五才の女

1961年2月1日公開、62分
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“警視庁物語”シリーズの第十五・十六話。両篇とも「黒い樹海」の長谷川公之の脚本を「殴り込み艦隊」の島津昇一が監督した。撮影は「大いなる驀進」の仲沢半次郎。

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ストーリー

◇不在証明 ある官庁で巡回中の守衛が殺されるという事件。守衛の腕時計は九時十三分を指して壊れたまま止っていた。検屍の結果、死亡推定時刻も九時から九時三十分の間ということがわかった。金庫には荒らされた形跡があったが、岡本係長は紛失したものがないという。捜査一課の活躍がはじまった。官庁では前の晩七時三十分まで岡本、秋田、根岸が残業していたという。物盗りか内部の者か、捜査方針は内部から洗っていくことになり焦点は三人のアリバイ追求からはじめられた。残業の後で一杯やって岡本係長は自宅へ、秋田と根岸の二人は秋田の恋人志村良子の待つ喫茶店に行ったことがわかった。中川刑事によって岡本の嘘は暴れたが、彼はもと資材課にいた元子をアパートに囲っておりそこに十一時までいた。ためにこれは白。秋田は良子との結婚を望んでいたが、病身の母を抱え三十万円の借金がある秋田に良子は慎重だった。附近の聞き込みに廻った金子、渡辺両刑事は、九時過ぎに秋田が役所へ入って行くのを見たという出前持を見つけた。容疑者として秋田は留置された。秋田は自分が行った時はすでに守衛は死んでいたと言い、しかも秋田の口から金庫には三十万円の現金が入っていたことがわかった。ある業者からのリベートである。岡本係長は世間態を気にして嘘を言ったのだ。容疑は濃厚となった。根岸は、喫茶店で秋田と喧嘩別れになった良子を慰めるため、二人でパール座をみていたということで白であった。そんな時に、資林課長が捜査本部を訪ねて来た。根岸の妻が人事異動のワイロとして三十万円のギフトチェックを贈ってきたというのだ。急に根岸のアリバイが徹底的に洗われだした。劇場が混んでいたために自分だけ座り根岸は立見席にいたと語る良子。折しも手配中のタクシーの運転手は、根岸を役所前からパール座まで運んだと証言した。根岸は犯人として逮捕された。◇十五才の女 多摩川の水門に少女の死体が浮び上った。頚部に絞められた跡があり死亡時刻は前夜の八時頃と推定された。また少女は暴行こそうけてなかったが異性との交渉は相当あったものとわかった。手配写真から少年係刑事の言葉によって身元は割れた。林美代子という十五歳の少女で、脳梅の母親と二人バラックに住んでいた。売春婦であった美代子にはいろいろな男達が取りまいていた。林、中川刑事の聞込みがその男達を追って展開された。附近の飯場に美代子と関係があった鮫島が昨夜から帰っていないという。だがその鮫島は、事件当夜強姦未遂現行犯で検挙されておりこれはシロであった。鮫島の言葉から、その夜美代子は生活補助を受けている福祉事務所の役人村上と、一緒に歩いていたという言葉から村上を捜査本部に連行した。村上は役所を五時に出ており帰宅は十一時だった。更に殺人現場附近の支那ソバ屋のオヤジは、七時頃村上と美代子の二人が店に来たと証言。その上、多摩川附近の温泉マークを洗った結果、村上と美代子がたびたび泊りに来たことがわかった。参考人は容疑者として調べられた。金欲しさの美代子に自分は誘惑されたのであって殺しは自分でないと村上は頑張った。そこへ美代子の恋人和夫が自首して出て来た。事件当夜、生活補助金を餌に美代子を自由にしていた村上に和夫はナイフを出して飛びかかった。村上が逃げた後、和夫は美代子と残された。狂った母親を抱え哀れな恋人をどうもしてやれぬという若者の怒り、「死こそ美代子の不幸に終りを告げさせることが出来るのだ」と思いこんだ和夫は知らぬうちに美代子を殺してしまっていたのだった。

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作品データ

原題
Alibi(「警視庁物語 不在証明」のみの英題)
製作年
1961年
製作国
日本
配給
東映
初公開日
1961年2月1日
上映時間
62分
製作会社
東映東京


[c]キネマ旬報社