高田浩吉
明石の千太郎
「赤い影の男/高速三号線を張れ」の小川正の脚本を、「さいころ奉行」の内出好吉が監督した股旅もの。「八荒流騎隊」の松井鴻が撮影した。
土地の悪貸元鬼がわら弥曽吉の子分に襲われているお夏という女を三人の旅鴉が助けた。ところが、お夏はなぜ助けたと食ってかかった。彼女は、居酒屋「浜中」の一枚看板で二十両のカタに身売りして、弥曽吉にいいよられヤケになっている女だった。千太郎、百太郎、三公の三人は、弥曽吉の賭場で壷振りを買収し、二十両まきあげ、弥曽吉にお夏の身代金だといって叩きつけた。旅を続ける三人は、今度は代貸源五郎にさらわれようとしている百姓娘お菊を救った。彼女も借金のカタに酌婦されようとしていたのだ。百太郎は、身寄りのないお菊を叔父の家に届けた。千太郎の後を追ったお夏は、弥曽吉、源五郎らの親分業平の茂平の妾であるお滝の飲み屋に身を寄せていた。宮島神社の祭礼。千太郎は櫓の上で、得意の美声を聞かせていた。その千太郎を、弥曽吉の子分たちが見つけた。乱闘となった。旗色が悪くなった茂平は、お夏を前に連れ出した。用心棒の藤堂一角が「卑怯なまねはよせ、千太郎は俺が斬る」と言った。と、木蔭から短銃が火を吐いた。茂平、弥曽吉一味は倒れた。一角も死んだ。--一夜明けて、別れを告げる千太郎の後を、お夏が追って行った。
明石の千太郎
百太郎
三公
お夏
お菊
吾平
鬼がわらの弥曽吉
おひろ
陣兵衛
権三
松助
次郎八
しょっ平
留吉
業平の茂平
お滝
おかね
源五郎
勘次
牛松
お米
お峰
お花
お咲
徳兵衛
お勝
お君
お政
強羅市之丞
高月大之進
金子甚内
瀬越軍兵衛
伊庭要蔵
おとめ
おまつ
舟番の老爺
野田山の親分
老婆お里
小間物屋の主人
唄い手
藤堂一角
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