山城新伍
滝沢竜太郎
「吸血死美人彫り」の続編で、脚本・高田宏治、監督・大西秀明、撮影・鈴木重平と前作の顔ぶれ。
雪奴の死美人彫りから十万石拝領の鍵を握るものは、甲州、甲武信ヶ丘、魔人の首にあることを知った竜太郎は雌蝶の刺青を持つお志津と共に甲州へ。また、二人の後を追って白魔党と、新たに現われた甲州馬団が十万石を狙って--。甲州へついた竜太郎は叔父滝沢織部正夫妻を訪ねるが、二人は馬団の手にかかって殺害されていた後だった。揚句に竜太郎は甲府勤番から殺人容疑をうけて召捕られてしまった。すでに勤番支配の一統は甲州馬団に買収されていたのだ。竜太郎を追った奉行直属の隠密岩田専介は、金山奉行田村蔵人も砂金を横領、十万石を狙っていることを知った。岩田は岩田を親分と慕う盗賊武州の小徹とさみだれお蝶の力をかり、ある日竜太郎救出に成功した。その時不思議な牢番左兵衛が秘密の出口を教えてくれた。だが、志津はすずめ婆に誘拐されていた。志津を追った岩田は敵の罠に落ちて捕われた。竜太郎は、彼を狙う妖精のような山娘かなえの後をつけて、一味の本陣らしき金山精練所に忍びこんだ。それを知った田村一味は、岩石、志津を囮に竜太郎をも穴蔵に閉じこめ、ダイナマイトを仕掛けて去った。竜太郎は導火線を手練の短銃で吹っ飛ばし二人を救った。そして三人は甲武信ヶ岳の西二千尺のところにある洞穴に向った。そこで、魔人の首の目にあたる空洞から弁天像を見出し、さらに青銅の葵の絞所の在りかも発見、その奥から皮袋に秘められたお墨付を取り出した。しかし、それを知った甲州馬団の一味が現われた。そこへ江戸奉行曲淵甲斐守も手勢を引き連れてかけつけた。竜太郎、岩石先生の豪剣に一味はことごとく倒されていった。その時、甲州馬団の首領、甲州左伝次が短銃をもって現われた。意外、彼は牢番の左兵衛だった。しかし、竜太郎を慕うようになったかなえが、左伝次の短銃の前に立ちふさがって倒れた。左伝次も竜太郎に倒されて、竜太郎は、十万石がいかに人々の慾を誘そうか、その業の深さに十万石を難民にあてたいと奉行に申し出た。そんな竜太郎に志津のそっとよりそう姿があった。
滝沢竜太郎
岩石先生
武州の小徹
さみだれお蝶
志津
かなえ
曲淵甲斐守
山浪佐次郎
甲州左伝次
死人六兵衛
毒虫の辰
白刃仙十郎
うわばみの五郎蔵
すずめ婆
中津川日向守
車坂玄蕃
大高志賀之介
高崎和次郎
中島彦蔵
竹中紋十郎
田村蔵人
榊原
山田
立川
長島
夏目九太夫
滝沢織部正
みすず
囚人
囚人