大友柳太朗
むっつり右門
大友柳太朗の右門捕物帖シリーズの第四話で、佐々木味津三の原作を、「朝霧街道」の鈴木兵吾が脚色し、「八荒流騎隊」の工藤栄一が監督した。撮影は「月形半平太(1961)」の吉田貞次。
南町奉行同心むっつり右門の四番手柄は、夏の一夜、深川佐賀町に往む備前弥一郎という浪人が惨殺された事件で始まった。兇器は手拭に包んだ石という奇妙なもので、目撃者の弥一郎の妻奈美とその妹静、それに易者の南雲堂によれば、現場からとび出した職人風の男が犯人臭い。右門は奈美から弥一郎が浪人したのは、三月前藩金一万両が盗まれた事件の責めを負ったと聞いた。翌日、掛川老江戸詰上屋敷を訪れ、江戸家老平岩和泉から事件の詳細と、犯人は同家中の甲斐達也であることを知った。数日後、奈美、静の姉妹が弥一郎の墓に詣うていた時、浪人俵藤善鬼に引き連れられたやくざ者の一団に襲われた。折りよく通りかかった右門が救った。甲斐達也が後をつけてきたが見失った。達也と静は今度の事件がなければ結ばれるはずだった。江戸っ子の口には迷宮入りの噂が立ったが、南雲堂が達也の隠れ家を右門に注進したことから始まった。あばたの敬四郎がのりこんだが、達也の姿はすでになかった。右門は達也の隠れ家が分ったことを伝六から静に知らせてやり、静と達也の間に連絡のあることをたしかめた。奈美が、弥一郎の亡霊に悩まされて発狂、河に身を投げた。右門は、もっともらしく近づく南雲堂の行動に目を光らせた--。
むっつり右門
笠井久平
櫛巻お由
静
ふみ
奈美
甲斐達也
平岩和泉
南雲堂
俵藤善鬼
五助
男
やくざ
手代
番頭
読売A
読売B
権三
備前弥一郎
播磨屋五郎右衛門
ちょん切れ松
蛍狩りの少女
神尾元勝
おしゃべり伝六
あばたの敬四郎
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