小林旭
伊吹明
「赤い荒野」の山崎宏と、吉田憲二の脚本を「都会の空の非常線」の野村孝が監督したアルプスを背景とするアクション篇。撮影は「闘いつづける男」の横山実。
南アルプスの谷間で木材輸送を続ける津山木材の請負期間はあと一週間に迫ったが、作業員を一人残らず同業の大須賀運輸に引き抜かれて手も足も出ない。大須賀の竜一と丈二を操る神戸産業は、津山木材の路線を乗取ろうとたくらんでいるのだ。津山木材の吉田と療養中の社長の娘マキは、伊那市から風来坊の政、賭博好きのベタ金、酒のみの坊主、ギター弾きの利坊というならず者を呼んだが、能率はあがらない。そんなとき吉田を訪ねて、伊吹というやくざが山へやってきた。政たちは伊吹に威圧されたかたちで、いやいやながら仕事をするようになった。しかし、津山側が運んだ木材は軌道の終点に置かれたままで、大須賀の方だけが積み出されるという始末だ。その上、給料不払いの噂は、政やベタ金を完全に仕事から背を向けさせてしまった。銀行融資も駄目と判ったころ、伊吹が大須賀運輸の竜一に呼び出された。竜一から名刺がわりに貰った金を持って伊吹はキャバレー・アルプスに出かけ、はからずも哲に会った。伊吹は名うてのダイス使いだが、賭場の出入りで同じ仲間の五郎が伊吹の身代りで死んだのを苦にし、山にいる五郎の弟吉田に力をかすことがせめてもの恩返しだと思うのだった。それを知って近く賭場を開く親分の命令で、哲は伊吹を迎えにきたのである。伊吹は四日待ってくれと哲にいった。そんなある日、山の現場に依頼主の東邦パルプの監査員が調査にきた。伊吹の努力でノルマはぐんぐん上った。彼に好意を抱く天竜食堂のマダム里美は、自分の店を担保に五十万の金を津山木材に提供した。これに対して大須賀側の妨害は一層激しくなったが、買収された政やベタ金を連れ戻したのは哲である。大須賀側は最後の手段として殴り込みをかけ、伊吹の背に竜一の拳銃が突きつけられたが、哲の機転で助かった。「俺たちは、もう他人だぜ」と、哲は伊吹の手を握った。二人の生れ代った姿が夕陽に映えている。
伊吹明
津山マキ
里美
哲
吉田健次
大須賀竜一
大須賀丈二
神戸
フックの政
ベタ金
坂主
津山耕造
みどり
黒井
支店長
五郎
津山土木作業員A
津山土木作業員B
津山土木作業員C
津山土木作業員D
津山土木作業員E
津山土木作業員F
大須賀運輸乾分A
大須賀運輸乾分B
大須賀運輸乾分C
大須賀運輸乾分D
大須賀運輸乾分E
天竜の女給
医師
森林監視現場作業員
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