二谷英明
島亮太郎
高久進の原作を「湖畔の人」の秋元隆太が脚色、「野獣の門」の古川卓巳が監督したアクションもの。撮影もコンビの伊佐山三郎。
秋津組には大幹部が六人いたが、跡目相続人の黒住後道が惨殺されたのは、ボスの秋津が病死する数日前だった。秋津は五人を呼んで、俊道にかわる相続人は俊道の弟健次で、兄の復讐をしてから必ず来るだろうと遺言した。健次が現れるまで大幹部の間大作が組長代理で、縄張りと組の財産である時価二千万円の生阿片を管理し、大作と対立する幹部の階堂は、キャバレー“ドミニカ”を経営することになった。葬儀の日、二人の妙な男が舞いこんだ。ニセ刑事島亮太郎と拳銃使い吾郎だったが、大作は身元の判らぬ吾郎を用心棒にはしなかった。その夜、ドヤ街でまた会った二人は、狙いは同じ生阿片を奪うことだと知り意気投合した。健次から初めて電話がかかったのは、大作と階堂が、生阿片の処置で激論をかわしている最中だった。翌日、約束の奥多摩の小屋に健次を暗殺しに向った石井達は、逆にダイナマイトを仕掛けられて木ッ端微塵になった。吾郎は、健次を殺してやるからと用心棒になりすました。二回目の電話がかかり、乾分はまた減った。大作は健次と亮太郎は同一人物と推定、亮太郎を消せと命じた。それを知って俊道の妹亜紀は彼をアパートへ匿った。亮太郎は自分が健次でないことを説明して外に出ると、階堂一味に肩を射抜かれて失神したが、吾郎に助けられた。三回目の電話で大作が約束を拒絶したため、一人娘理恵は亮太郎の与えたチョコレートで殺されそうになった。卑劣で残虐な階堂のやり方に、亮太郎は憤怒に燃えた。その夜倉庫の壁に隠してあった生阿片が奪われた。亜紀のアパートに行くと彼女は階堂に誘拐された後で、意外にも生阿片を持った吾郎がいた。彼が健次だったのだ。階堂と鉄は、健次の復讐の弾丸に倒れた。健次は亮太郎に拳銃を向けた。「殺人犯として逮捕する」、亮太郎は刑事だったのだ。月下の渚で格闘する二人だが、機をみて拳銃を構えた健次に、亮太郎も観念した。その時銃声が響き健次は倒れた。亜紀の号泣が流れた。
島亮太郎
牧吾郎
黒住亜紀
黒住俊道
間大作
間理恵
階堂晃
近藤雄助
石井房吉
安田竹五郎
高藤
秋津達之介
李徳全
ジャックの鉄
坊主の秀
辻
松崎
野原
風太郎
葬儀屋A
葬儀屋B
秋津組の乾分A
秋津組の乾分B
秋津組の乾分C
秋津組の乾分D
秋津組の乾分E
秋津組の乾分F
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