六本木の夜 愛して愛して
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六本木の夜 愛して愛して

1963年1月29日公開、87分
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中央公論所載・笹沢左保原作『六本木心中』より「若い季節(1962)」の田波靖男が脚色、新人岩内克己が第一回目に監督した青春ドラマ。撮影は「私と私」の完倉泰一。

ストーリー

夜ともなると今まで気のつかなかった深夜営業のレストランがネオンのトンネルをつくる。そんな六本木の一角で、昌章は十六歳の千景と知り合った。レストランを経営する母をもつ千景と実直な裁判官を父にもつ昌章とは、奇妙に惹きあうものがあった。二人はドライブに、遊園地に、そしてスケートに若いエネルギーを発散させて、自分たちの孤独を忘れた。千景は妊娠していた。三人の愚連隊に睡眠薬を注射したミカンを食べさせられて乱暴されたのだ。千景はなんとかして自分の身体から胎児をもぎとろうと必死になっていた。だが今、千景にとって無条件で信頼出来るものはお腹の赤ちゃんだけだった。昌章はそんな千景にいよいよ惑かれるものを感じた。昌章は毎日何をしたらいいのかも分らなかったし、大人達がおしつける社会的責任におびえていた。だが千景と一緒にいる間だけは自信がわき、何か新しい生き方が出来るような気がした。そうだ、千景のお腹の赤ちゃんは俺たちの子だ。千景の母はこのことを知ると狂ったように二人を責めた。千景も夢中で抵抗した。そして誤って千景は母親を窓から突き落してしまった。警察に自首したのは昌章だった。取調べが進むにつれて彼の供述の信憑性は薄くなった。二人が知り合ったのは三日前であるのに千景は妊娠四カ月だという。しかし二人にとってはそんなことはどうでもよかった。たとえ服役がどんなに長くとも辛抱しよう。二人の愛のために、俺たちの赤ん坊のために。だが万一この秘密が暴露されたときは……。昌章のもとに突然、ミカンが差し入れられた。同じ時刻、千景の運転する車は死の暴走をつづけていた。--「六本木心中、恋人に毒ミカンを差入れ」ビラがむなしく風にゆれている。

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作品データ

原題
Love me! Love me!
製作年
1963年
製作国
日本
配給
東宝
初公開日
1963年1月29日
上映時間
87分
製作会社
東宝


[c]キネマ旬報社