南廣
滝三佐
「黄門社長漫遊記」の大和久守正と押川正士が共同で脚本を執筆、「万年太郎と姐御社員」の小林恒夫が監督した自衛隊もの。撮影は「霧と影」の佐藤三郎。
第八空挺部隊は習志野に駐屯している。滝三佐は太平洋戦争の生き残りとして今日も指揮所から、第四中隊の突撃状況を査察しているが、石倉小隊の目にあまる行動振りに呆れ果てていた。石倉は肉体と精神力を鍛える最適な場所は自衛隊と心得、更に演習はスポーツであると割り切っている。しかし、滝三佐は演習即実戦であり、命令に少しでも反するところがあればどんなに危険なものであるか、身をもって体験していた。石倉は、滝の妻洋子の妹和子と恋仲だ。或る晩デイトの時、石倉は三人の愚連隊と大喧嘩をしてしまった。無分別と勇気を一緒にするような根性は、訓練によって徹底的に叩き直してやると滝はカンカンだ。毎日、激しい訓練がつづいた。滝三佐の目は石倉小隊全員の上に強くそそがれた。やがて富士の裾野の合同演習がやって来た。空挺部隊を中心に壮烈な訓練がはじまった。滝中隊長の命令は、特に石倉小隊には苛酷に思えた。小隊全員は歯を喰いしばって頑張った。茜色の夕陽が富士に映える頃、石倉は今夜こそ中隊長と対決しようと決心した。営舎の表で滝を待ちうけた石倉は、林の中で男対男の決着をつけようと上着をかなぐり捨てた。その時非常呼集のベルが鳴りわたった。月輪島が噴火したのだ。灼熱した溶岩が集落を孤立させ、集落民の安否が気づかわれていた。自衛隊、それも空挺部隊が救援に当ることになった。海岸からは自衛艦「あきずき」がすでに出動した。滝は隊員から五名を選抜した。それも石倉小隊からだ。地上と連絡をとった滝は五名に落下傘降下を命じた。愕然とする石倉達であったが、「非常時に役立つための自衛隊員の誇りと勇気を忘れたのか」と滝は卒先して降下していった。石倉もつづいて降下した。この瞬間に滝と石倉小隊の確執は薄れていった。隊員達の協力により避難民は次々と救出されていった。
滝三佐
石倉三尉
津村洋子
津村和子
安藤三尉
田村一曹
中村二士
山田二士
谷沢二士
岡田一佐
城戸二佐
大越三佐
幹部三佐
衛生一尉
田村マサ子
娘1
娘2
娘3
愚連隊A
愚連隊B
愚連隊C
女中
[c]キネマ旬報社