大川橋蔵
半太郎
長谷川伸原作“刺青奇偶”を「若ざくら喧嘩纏」の野上龍雄が脚色、「大暴れ五十三次」のマキノ雅弘が監督した股旅もの。撮影は、「次郎長と小天狗 殴り込み甲州路」の吉田貞次。
一人残した母に会おうとやっと貯めた十両を持って江戸へ向うのは渡世人姿も板についた半太郎、博奕もさることながら腕っ節も強い。草鞋を脱いだ当地小田原の親分原の嘉十も手ばなすのが惜しく何度か引き止めたが聞き入れる半太郎ではない。ところが、身投げをしようとしていた宿場女郎お仲を救ったことから、半太郎の運命が変った。男に騙され売られ売られてすっかりひねくれていたお仲であったが、この人こそ男だと半太郎のあとを追った。だが原一家は黙ってはいない。盗ッ人呼ばわりされた半太郎はついに嘉十とサシの勝負で話をつけようとしたが運悪く勝負は兇、なけなしの十両を取られた上お仲は連れ戻されてしまった。翌朝、重い足どりの半太郎に追いすがったのは隙を見て逃げてきたお仲だった。一度は追いかえそうとした半太郎も、憐れに思いつめたお仲の涙を見て、共に江戸へ帰り堅気に戻ろうと決めた。平塚の宿、追手をまくと出て行った半太郎の留守に、わずかでも恩を返せたらと思い悩んだお仲は、泊り合せた昔馴染みの客に体を売り銭を残して宿を出た。半太郎はすぐに後を追い、嘉十一家につかまっていたお仲を救い出した。街道筋には一家の手がすっかり回っており、半太郎とお仲は神奈川宿で会った幼馴染みの初造の家にかくまわれることになった。やすらかな日々が続くと思われた矢先、無理がたたってお仲は病床につき、やがて明日をも知れぬ身となった。半太郎はお仲に喜んでもらおうと腕に“おなか”と刺青して、一日も早く江戸へ帰ろうと、稼いだ二両を手に賭場へ向かった。二度と使うまいと決めたイカサマ賽を使って勝負に勝った。だが家に帰り着いた時には、お仲は息をひきとっていた。呆然となる半太郎のまわりを賭場の知らせを受けた嘉十たちが取りまいた。「お仲を殺したのはてめえ達だ」半太郎の怒りに燃えた長脇差が、嘉十らを次々と斬り伏せていった。
半太郎
お仲
お作
原の嘉十
鮫の政五郎
初造
金八
熊介
角兵衛又
喜兵衛
おせき
小平
お糸
猪太郎
浅吉
芳んべ
乾分A
源助
彦三
粂蔵
杢助
惣兵衛
香伯
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