片岡千恵蔵
けんか独楽の源次
「人生劇場 飛車角」の直居欽哉と「向う見ずの喧嘩笠」の山崎大助が共同で脚本を執筆、「いれずみ半太郎」のマキノ雅弘が監督した股旅もの。撮影は「変幻紫頭巾」の三木滋人。
国定忠治処刑の噂が流れて一年。上州磯部温泉は祭の季節だった。折しも源次と名のる旅人が舞いこみ旅篭“みのや”に草鞋を脱いだ。土地のやくざ松五郎一家は祭をとりしきろうとしてあこぎなことをしていたので、人々から恨まれていた。忠治が実は生きているらしいという噂が流れてきたのもちょうどそんな頃だった。“みのや”の女中お志乃の亡夫は忠治の子分だった。源次はそれを知るとなぜか動揺した。美貌のお志乃に目をつけて松五郎一家の者は、お志乃を手ごめにしようとした。しかし源次に追いはらわれた。お志乃はひそかに源次が亡夫の墓参りをしたのを知って、もしや忠治親分ではと思うのだった。老目明し藤兵衛もそう思う一人だった。藤兵衛は源次に昔話をした。それによると、藤兵衛は四十年前、貧しさから上州国定村に赤ん坊を捨てたのだった。今育てている子佐太郎は罪ほろぼしの貰い子だった。また捨てた子は素姓、生れ、歳などから考えると国定忠治によく似ているというのだった。源次はうたれたように聞いていた。源次が帰った直後、藤兵衛は以前松五郎らの無法を制したのを恨まれて殺された。源次は藤兵衛の考えたように国定忠治だったのだ。四十年間、捜し求めてきた父親に会えたのにその父親は殺されてしまった。それを知った忠治は疾風のごとく舞い戻った。忠治はお志乃にすべてを打ち明けた。そして怒りに燃えた忠治は松五郎一家を叩き斬り、折からの御用風に追われて去って行った。
けんか独楽の源次
佐太郎
藤兵衛
お志乃
健太
おすぎ
お千代
黒岩の松五郎
薮枯らしの辰
般若の政吉
蝮の紋七
相良伝十郎
豆六
大八
小助
江東十平太
吾作
留吉
亀吉
A助
B吉
監督
脚本
脚本
撮影
音楽
美術
編集
照明
録音
企画
企画
スチル
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