高田浩吉
雲亭吉助
「おれは侍だ 命を賭ける三人」の結束信二のオリジナル・シナリオを「いかすじゃねぇか三度笠」の深田金之助が監督した時代捕物帖。撮影は「気まぐれ鴉(1961)」の杉田正二。
雲享吉助は江戸の盛り場にある呑み屋「ひさご」の二階で、捕物帖を書きとばしている作家志望の浪人である。ある夜雲亭先生は、朝吉という男と知りあった。朝吉は上方から、恋人のお妙と駆け落ちしてきたのだが、金もなくなり、安宿探しに来たのであった。雲亭先生の紹介で宿に落ちついた朝吉は血相をかえて飛びこんで来た。ちょっとしたスキに、お妙が消え失せたというのだ。これを聞いた捕物帖作家志願の雲亭先生朝吉と二人でお妙さがしに奔走することとなった。嘘ぶく宿屋の主人にドロを吐かせた雲亭先、正体不明のやくざが来て、お妙を駕篭で運び去ったというのだ。朝吉の発案で駕篭屋の線辿り、板橋まで行った事が判った。人足どもの話では、泣き叫ぶ娘を駕篭に入れ、男どもが街道筋を行ったというのだ。あの話、この話に街道筋を行ったり来たりの雲亭先生と朝吉の二人、とある旅篭に泊ったが、役人の宿改めに会った。大名屋敷に忍びこんだ悪党、籔からしの銀兵衛を探しているのだ。同宿した薬行商人の入れ知恵もあって二人はお妙のことを役人に届け出た。役人の情報によると、やくざ風の男が、駕篭で街道を急いでいたというのだ。今度こそ! 行商人と三人ですっ飛んだが、又も人違い。長い旅に、哀れな姿になり果てた二人を救ってくれたのが親切な花駒太夫いう芸人の一座。二人は舞台丸太を組む仕事にありついたが、素人の悲しさで組んだ丸太はグラグラ。これが怪我の功名になった。追いこまれた籔からしの銀兵衛がこれに飛びついたのだ。捕えた雲亭先生と朝吉がみたのは、かつて合部屋だった薬行商人であった。驚く二人に行商人は「駆け落ちするような娘さんだ、江戸に帰ってるにちがいない」という助言で、江戸にひき帰した二人、お妙から出された失踪届にビックリ。あの晩お妙はやくざに案内されて、板橋の賭場へ行き、チャッカリ儲けていたというわけだ。
雲亭吉助
朝吉
お妙
籔からしの銀兵衛
おきん
お京
三吉
松兵衛
お時
三次
権作
万作
人足A
人足B
人足C
人足D
おくま
おくまの連れの男
百姓娘のお妙
旅篭の番頭
大島伝兵衛
検問所役人A
検問所役人B
子持ちのやくざ
人足E
人足F
箱入りお花
向う傷の勘吉
箱入り一家の三下
お絹
善兵衛
花駒太夫
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