ウォーレス・ビアリー
Sergeant_Dory
「噫初恋」「奇傑パンチョ」のウォーレス・ビアリー、「愛の弾丸」「近代脱線娘」のバーバラ・スタンウィック、「空飛ぶ音楽」「ロジタ(1936)」のジョン・ボールズが主演する映画で、「情無用ッ」「水兵万歳」のジョージ・マーシャルが監督にあたったもの。エルバート・ハッバートのエッセイとアンドリュー・S・ロウアンの著書を素材として、「戦う巨象」「嵐の三色旗」のW・P・リプスコームが「野性の叫び(1935)」「曲芸団」のジーン・ファウラーと協力して脚本を書いた。助演者は「小牧師(1934)」のアラン・ヘール、「恋のセレナーデ」のハーバート・マンディン、モナ・バリー、エンリケ・アコスタその他で、撮影は「リリオム」「メトロポリタン(1935)」のルドルフ・マテの担当である。
アメリカの戦闘艦メイン号の爆沈事件が原因となって、アメリカ はスペインに宣戦を布告した。これと同時にスペイン領キューバ島に反乱が勃発し、ガルシャ将軍はキューバの独立を宣言したが、協力なスペイン人のために包囲され危機に陥った。アメリカの大統領マッキンレーはガルシャ将軍を救い出さんと計り、ロウアン中尉に使命を託して彼をキューバへ派遣した。中尉は火夫に変装してイギリスの船に乗り込みキューバへ上陸した。これを知ったスペイン軍ではクレグ博士をスパイの司令となし、ロウアンを逮捕せんと待構へ、ここに密使と間諜の間に命懸けの知恵比べが始まった。ロウアン中尉は危険を冒しつつ奥地へと向かった。まもなく中尉は元陸戦隊の軍曹をしていたドーリーというアメリカ人と知り合いになった。彼はただの無頼漢であったが中尉は利益を以て彼を誘い味方とした。ドーリーの案内でガルシャ将軍のもとへと進む途中、ロウアンはリタという娘に会った。彼女は将軍の股肱の臣で愛国者であるマデロスの娘である。二人は邂逅を喜び手を握り合って、共に尚も奥地へと進むうち、リタはスペイン兵のために撃たれ重傷を負う。ロウアンはドーリーに彼女の看護を命じ、単身さらに前進を続けた。ドーリーはロウアン中尉が祖国アメリカのためは重大使命を帯び、生命を投げ捨てて働いているのを知るにつれ、無頼漢の彼の荒んだ心にも、国を愛する念が次第に湧き起こってくるのだった。彼はリタを捨ててロウリイの後を追い、ついにガルシャ城塞へ案内して来た。ここでローラりーはロウアンと分かれ再び漂泊の旅に上がった。ところがロウアンが訪れたのは実はスペイン軍の陣営で、クレグ博士一味が綱を張って待ち構えていたのだった。彼はたちまち捕らえられ大統領の密書は彼等の手に奪われんとした。一方ローリーはロウアンが敵手に捕らえられた事を知りガルシャ将軍を探し出して援助を乞うた。独立軍は大挙してスペイン軍を襲撃し、ドーリーは敵弾に倒れながらコウアンを救い無事密書をガルシャ将軍に奉呈せしめ、満足して死んでいった。
Sergeant_Dory
Raphaelita_Maderos
Lieutenant_Rowan
Dr._Krug
Henry_Piper
Spanish_Spy
General_Garcia
Luis_Maderos
Rodrique
Chiquita
Pasquqle_Castova
Commandant
German_Stoker
Irish_Stoker
Spanish_Commandant
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