里見浩太朗
神保平四郎
「十三人の刺客」の池上金男がシナリオを執筆「十三人の刺客」の工藤栄一が監督した時代もの。撮影は「関の弥太ッぺ(1963)」の古谷伸。
四代将軍家綱が危篤に陥入り、大老酒井忠清は将軍継嗣に弟綱重を立てようとする、粗暴な政治が行われていた延宝六年のこと。若年寄堀田正俊は、御政道の変革を計る企みありと喚問された。一方、追手から逃れて来た知友中島外記を隠まったため一味とみられた、書院番神保平四郎は、旗本浅利又之進と名のる男の屋敷にかくまわれた。妻加代が事件のまきぞえから殺害されたのをみやから聞いた神保は、御家人星野友之丞に紹介されると一党に加わった。捕われた仲間の自害にいやけがさした一党の一方のかしら石岡部源十郎は、別所隼人に、秘密を酒井に話そうともちかけて神保に斬られた。首謀の名を追求する北条は石岡から一党の首謀は軍学者山鹿素行と聞くが実証なくして、山鹿に手を出すことが出来なかった。素行以下の一党の顔ぶれは、星野友之丞、別所隼人、神保平四郎、日下仙之助、助七、渡海八兵衛、素行の姪みやの七人であった。全て、すさんだ政道を正すためにけっ起したのだった。目的遂行の日は、水戸中納言光圀公が、国表に帰国でにぎわうのを、利用して甲府宰相鋼重の行列を吉原の方へ導き入れ本懐をとげる。だが渡海の裏切りに会った素行らは、神保、星野、日下、別所、助七の五人は目的の甲府宰相を暗殺出来ず世を去った。行列の遅いのに不審を持った酒井は、徒目付の知らせで事の次第を聞くと、行列を日本堤に廻すよう命令した。そのようすを見ていた浅利又之進は、無残な神保の死体をみて憤怒し、吉原を出る行列に突進していった。北条と宰相をうって、命を落した浅利を見て、発狂する酒井の姿をみつめながら、素行は、勝利感に酔えない自分を感じていた。
神保平四郎
星野友之丞
日下仙之助
別所隼人
渡海八兵衛
助七
浅利又之進
岡部源十郎
山鹿素行
山鹿みや
北条氏長
酒井忠清
徳川綱重
堀田正俊
林甚兵衛
神保加代
中島外記
小出治兵衛
新見但馬守
立田川
星野たよ
[c]キネマ旬報社