金子信雄
勘助
「昨日消えた男」の小国英雄のオリジナル・シナリオを「紫右京之介 逆一文字斬り」の長谷川安人が監督したアクション時代劇。撮影は「悪坊主侠客伝」の吉田貞次。
公事宿「碇屋」の亭主勘助は、七年前までは海賊の一味であった。軍師と呼ばれる勘助が、以前の仲間、道伯、丹次郎、捨吉、悪源太、為吉、吉蔵、それに既に死亡した佐吉の妹お駒を召集したのには、わけがあった。かつて、勘助の海賊船が奉行所に襲われたとき助けてくれた恩人、河内屋善右衛門の七回忌を営みたかったからだ。善右衛門は、大阪屈指の廻船問屋で、莫大な財産をもち、水路開発に力を注ぎ、庶民から慈父の如く愛されていたが、この財産を狙った東町奉行松平将監によって、海賊の張本人として処刑されたのだった。河内屋の財産は、将監と手を組む廻船問屋に分配され、老中職を狙う将監は、廻船問屋からしぼりあげた金と河内屋の財産を奉行所の金蔵に納めていた。これを知った勘助は、この金で、法事を営むことにしたのだ。八人の持ち役は決められた。悪源太は奉行所の同心を辻斬りにし、お駒は将監の妾となってとりいった。吉蔵はお駒の護衛役。丹次郎は、同心竹内金次郎の娘お光をくどきたてる役であった。金次郎は昔河内屋の番頭で、主家を裏切って今の地位を築いたのだった。見取図は捨吉が取ることになっていたが、業をにやした勘助、道伯は金次郎に激しい拷問を加え、全てを白状させた。娘お光は河内屋の一人娘で、お光を助けるために主家を裏切り、育てて来たのだった。意外な話に、八人組は驚き、金次郎も加えて、いよいよ決行することになった。またこれを知った大目付も捜査を開始していた。将監は金箱の隠し場所を秘に移行していた。早くもこの場所をかぎつけた勘助らは金箱めざして踏みこんだが、源太、金次郎らは斬殺され、勘助らは書類のみをもって逃げた。この書類こそ、将監の息をとめるに十分な代物であった。道伯の交渉は効を奏し、将監を主催者として盛大な法要が営まれた。だが罪を許された河内屋一家の前に、海賊一味は再び姿をみせなかった。
勘助
道伯
丹次郎
捨吉
源太
吉蔵
お駒
為七
浪速屋庄右衛門
堺屋五兵衛
和泉屋安次郎
茨木屋藤四郎
逸見軍十郎
宇部甚八
大沢小太夫
お糸
竹内金次郎
松平右近将監
長坂又右衛門
万兵衛
お光
彦助
お松
おしげ
万作
甚兵衛
久兵衛
ならず者A
ならず者B
ならず者C
船役人
心太屋
同心A
同心B
船番所役人