松方弘樹
日疋俊太郎
「明治侠客伝 三代目襲名」でコンビの村尾昭と鈴木則文がシナリオを執筆、「大殺陣」の工藤栄一が監督したアクションもの。撮影は「蝶々雄二の夫婦善哉」の鈴木重平。
明治三十四年。日本は露国との開戦をひかえ、政府と軍部は奉天に情報機関を設けるべく、資金として莫大な金塊を用意したが、郵送の途中、何者かに奪われてしまった。警視庁では藤川部長を主任に活動を開始したが、捜査は暗礁に乗りあげ、この捜査から警視庁内部にスパイがいて大きな組織が背後にあるらしいと推測されたがその正体は不明であった。ただ郵送車襲撃に暴力団の人間が加わっているらしいことが、わかっただけだった。藤川部長は米国警察に留学中の日疋警部を秘密裡に速刻呼び返し、浅草の暗黒街に潜入さすと同時に囮捜査にふみ切った。顔を知られていない日疋は暗黒街で一匹狼として名を売っていった。暗黒街の暴力団・東竜会会長の黒崎は、日疋の素姓を洗ったが、日疋の経歴からは悪の前科しか出なかった。これは藤川部長によるデッチあげの罪状だ。黒崎の娘となのるゆみは、日増しに日疋に愛情を持つようになった。日疋はゆみを利用して黒崎の部屋に盗聴器を仕掛け、その部屋を見渡せる場所に張りこんだ。何日か無駄に過ごしたが、ある日突然に黒崎が金塊搬出の指令をしている盗聴に成功した。しかもその電話の相手は、金塊輸送計画実行委員で陸軍省の顔利き、唐島であった。日疋は、この金塊の横奪りにまんまと成功した。警視庁に運びこまれた金塊に藤川部長は喜んだ。日疋も帰国後、初めて、許婚者である藤川部長の娘頼子とのデートを楽しんだ。だが、警視庁内に敵側のスパイがいた。宮田警視である。宮田は金塊を罠にかけて警視庁内から運び去った。急を聞いて日疋は宮田を追った。宮田は黒崎に殺されていた。日疋は黒崎の秘密アジトに乗りこんだ。そこには黒崎の死体と、ゆみと唐島がいた。唐島の口からゆみは彼の情婦であり、黒崎とのレポーターを務めていたのだ。日疋と唐島の対決は、日疋をかばったゆみが唐島の銃弾に倒れたが、唐島は日疋に逮捕された。
日疋俊太郎
藤川大作
頼子
柴山徹
牧辰次
今西政吉
木原ゆみ
唐島竜之助
黒崎鋭二郎
宮田
隼の五郎
風間哲夫
ピス健
手裏剣の松
けろりんの源
川上
荒木
石上
角田
岡野直親
田代
井上
高山
東
山崎
夢子
おぎん
おせき
立花道代
君子
佐伯
八字髭の巡査
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