勝新太郎
大宮貴三郎
有馬頼義の原作「貴三郎一代」を、「処女が見た」の舟橋和郎が脚色し、「ほんだら捕物帖」の森一生が監督した“兵隊やくざ”シリーズ第四作目。撮影は「若親分乗り込む」の今井ひろし。
有田、大宮一等兵の二人は敵前逃亡の罪で奉天の陸軍刑務所に入れられた。二人は便器との共同生活にはクサってしまった。あまつさえ、大宮が看守の椎名伍長に反抗したため、昼食はおろか夕食までも削られ空腹に苦しまなければならなかった。それを助けてくれたのは、盗みで入獄していた沢村上等兵だった。だが間もなく沢村は前線に送られていった。有田と大宮は破れかぶれの気持ちで脱獄を計り、水道管を壊してその騒ぎを利用し、脱出した。だが二人の脱獄の通報を受けた門衛にあと一歩の所で捕ってしまった。もはやこれまでと、銃殺刑を覚悟した二人だったが、法務官が有田の大学時代の友人だったため助けられ、脱走しない条件でソ満国境へ送られた。前線で沢村を見つけた二人は、再会を喜び合ったが、ここでも班長の佐々木軍曹とソリがあわなかった。軍曹は初年兵教育から叩き直してやると二人をしぼるのだった。大宮が、前線に来る途中知った珠子に会うため、料亭“花月”を訪ねたが、軍曹に邪魔され、二人の雲行きは怪しくなり出した。ある日、沢村は敵前逃亡を計ったというので軍曹に射殺されてしまった。大宮は沢村が大事にしていたヒスイが失くなっていることに疑念を抱いたが、ソ連軍の猛攻が始まってウヤムヤになってしまった。ところが、兵隊たちが応戦に大童になっている最中、将校たちや佐々木軍曹がトラックで逃げようとした。怒った大宮は彼らをひきずり下ろし、代りに一般邦人や珠子を乗せた。将校たちは反撃に出たが、大宮は上官も隊長もクソ喰らえとばかり軽機で撃ちまくり無事に珠子たちを逃がしてやった。そして、大宮は有田たちが戦っている前線の守備隊に再び戻っていくのだった。
大宮貴三郎
有田
珠子
沢村
椎名伍長
永井中尉
野口大尉
佐々木軍曹
衛兵司令
現場監督風の男
憲兵軍曹
不寝番
将校A
将校B
森野上等兵
八重子