勝新太郎
大宮貴三郎
有馬頼義の原作「貴三郎一代」を、「処女受胎」の高岩薫がシナリオ化し、「陸軍中野学校 竜三号指令」の田中徳三が監督した“兵隊やくざ”シリーズ第六作目。撮影は「出獄の盃」の宗川信夫。
昭和二十年の北満。有田と大宮は何度も武勲をあげたことのある木崎独立守備隊にいた。ある日、戦況の悪化から大陸の戦線を縮小する方針がとられ、木崎部隊は各部隊の転進作戦を成功させることと、通過地点の孟家屯に増援部隊を送ることに決った。密偵張はそこにはゲリラはいないと言う。そんな時、大宮は岩兼曹長や田沼参謀に反抗して営倉に入れられたりしたが、岩兼とは次第に友情で結ばれていった。しかし、田沼参謀は勝つためには手段を選ばぬ冷酷な男だった。有田は幼な友達の田沼がかつて出世のために一人の女を自殺に追いやったことを知っている。やがて、孟家屯の増援隊には、二個分隊をもった岩兼があたることになり、有田と大宮もそれに加わった。途中、馴染の慰安婦桃代に会った大宮は御満悦だったが、孟家屯には相当数のゲリラが潜んでいることがわかった。たまたま、重傷の中国女秀蘭を助けた大宮と有田が、本隊に護送する途中でゲリラに襲われ、大宮は捕虜になった。そして、ゲリラの隊長が意外にも張であり、秀蘭が彼の妹なのを知って驚いた。秀蘭の好意で逃亡することが出来た大宮は、これも九死に一生を得た有田と会うことが出来た。一方、孟家屯はゲリラのいっせい攻撃で、岩兼分隊は次々と倒れていった。そして、無線によって、田沼の戦略で孟家屯はゲリラを引き寄せる囮であるとわかり、岩兼は唖然とした。やがて、分隊は全滅し、そこへ駈けつけた有田と大宮は、岩兼の最期の言葉で田沼の策略を知った。大宮が田沼と会った時、さんざん殴りつけたのは、田沼の冷酷な作戦が、岩兼や多数の人間を死に追いやったことへの怒りからだったのだ。田沼の計略によって転進作戦は成功したとはいえ、大宮は納得できなかった。その後、有田と大宮はオンボロトラックを駆って、広漠たる大陸の彼方へ去っていった。
大宮貴三郎
有田
岩兼曹長
田沼参謀
木崎隊長
副官
北沢軍曹
張
秀蘭
桃代
女将
野口兵長
慰安婦A
竹内二等兵
矢部伍長
泊上等兵
福原
塚本一等兵
横井二等兵
沢木一等兵
渡辺一等兵
荒山上等兵
黒田上等兵
仙場伍長
滝口
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