鶴田浩二
中井信次郎
「日本侠客伝 斬り込み」の笠原和男がシナリオを執筆し、「男の勝負 関東嵐」の山下耕作が監督した“博奕打ち”シリーズ第四作目。撮影は「博奕打ち 不死身の勝負」の山岸長樹。
昭和九年。江東地区に縄張りを持つ天竜一家の総長荒川が脳溢血で倒れ、跡目相続が問題になった。六人衆中井組組長信次郎は二代目を推挙されたが辞退、兄弟分の松田を推した。しかし、松田は服役中で、荒川の舎弟分の仙波組長は荒川の娘婿の石戸を指名し、信次郎の反対を押し切って、石戸が二代目を継ぐことを決定した。その二代目披露の大花会が行なわれる一ヵ月前、松田が出所した。事の次第を聞いた松田は兄貴分の自分をさしおいての石戸二代目決定に怒り、信次郎の妹で松田の女房である弘江や、子分の音吉の制止もきかず、石戸に殴り込みをかけたのだった。このため松田は謹慎に処せられてしまった。仙波は松田を失脚させ、石戸を抱き込んで荒川一家を乗っ取ろうという腹づもりだった。松田の気持ちを理解できる信次郎は花会を取仕切るという責任があり、女房のつや子が、松田と音吉が再度石戸組に殴り込むのを阻止できなかった責任を取って自害した時、ついに松田と兄弟分の緑を切らねばならなかった。だが、松田はそうした信次郎の気持ちを知りながらも、石戸の二代目披露を叩き潰すのが最後の意地だと言った。やがて花会の日。石戸は信次郎から、仙波が荒川一家を政界のボス河島の握る国志会に組込もうとしているのを知らされ、反対した。そのため、松田に襲われて傷を受けながらも跡目相続を済ませた石戸は、その直後に仙波組代貸の野口に殺されてしまった。仙波を鋭く追及した信次郎は、逆に自分が松田と結託して石戸を殺したと濡れ衣を着せられ、荒川一家存続のために松田を斬って身の証しを立てねばならなかった。松田を斬った信次郎は、その刀をひっさげて、荒川一家を売ろうとする張本人の仙波に迫った。信次郎が仙波を倒した時、彼の顔には満足気な笑みが浮んでいた。
中井信次郎
松田鉄男
石戸孝平
仙波多三郎
つや子
弘江
久美
俊子
小林音吉
長尾清
青木勇作
水谷岩吉
野口進
北川常次
沢田
河島義介
西尾宇一郎
五井友次郎
坂上貞蔵
市川佐吉
竹下清之助
岩倉宗太郎
芝田利助
早川兵吉
健二
ジョー
アキラ
小西
若い衆A
若い衆B
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