監督、脚本
北海道開拓百年記念映画として製作されたもので、杉原文治と井出玉江が共同でシナリオを執筆し、杉原文治が監督した長編ドキュメンタリー。撮影は伊藤義一、諌山雄幸、山下亘が三班に分れて担当した。
ストーリー
○サケ・マス船団出港--五月。函館の港を数百隻のサケ・マス船団が大漁旗をなびかせ、船出する。○態射ちの老ハンター--春になると、必ず知床半島に、一人の老人が姿を現わす。阿部松三郎、六十三歳。十八歳の時からヒグマを追いつづけてきた彼は、知床の山へ入り、獲物を求めて歩きつづける。○初夏--大雪の山から雪が消える頃、日高の谷あいの牧場で子馬が誕生する。やがて連れだって走る馬の親子の姿が、森と湖の美しい季節に見られるようになる。一方、東の果てのノサップ岬では、コンブ漁の最盛期を迎えている。○アイヌの青年彫刻家--藤戸竹喜、三十四歳。十三歳の時熊彫りを志し、イチイの木にノミをふるいつづけてきた。阿寒の四季を愛する彼だが、観光ブームで阿寒も変った。彼もまた、彫刻店を持ち、車を持ち、ジャズとコーヒーを愛するようになった。しかし、ノミに命をかける心だけは少しも変らない。○十勝の開拓農家の歩み--十勝の大平原に草野一家の五代目が生れた。曽孫を抱く老婆の顔には、十勝平野開拓の歴史が深く刻まれている。○冬来る--十一月の末になると、北海道の山野はすでに雪化粧している。根釧平野では小学生のツルのエサまきが始まる。千歳空港は除雪に大童である。一方、各地でスキー、スケートなど冬のスポーツが盛んになる。○冬の漁--北洋の荒波に向って、稚内からタラ船が出港していく。それを見つめる波間三郎兵衛。彼は厳しい冬の海との闘いの中から、土地一番の身代を築いた男である。○トド狩りハンター--オホーツクには海獣が多い。とくに魚を食いあらすトドは漁師の敵である。自衛隊の一斉射撃も効果はない。トドの怖しい相手は、白衣をつけ、小船を操って氷原に近づくハンターである。その一人、渋田一幸は氷原の上で、二年かかりで追っていた巨大なトドを射ちとめた。○エピローグ--長い冬が終ると、広大な土地、森と湖は、再び緑におおわれる。
スタッフ
脚本
井出玉江
語り手
小沢栄太郎
製作
釜原武
撮影
伊藤義一
撮影
諌山雄幸
撮影
山下亘
音楽
団伊玖磨
録音
加川友男
録音
金森広行
企画
北海道
製作委員会
戸川幸夫
製作委員会
八木義徳
製作委員会
菊村到
製作委員会
谷口千吉
製作委員会
時雨音羽
コラム・インタビュー・イベント
ニュース
作品データ
[c]キネマ旬報社