ロバート・ホートン
ジャッキ・ランキン中佐
「陸軍諜報33」の金子武郎が米ラム・フィルム側とシナリオを共同で執筆し、「黒蜥蜴(1968)」の深作欣二がメガホンをとった空想科学もの。撮影は「怪談 蛇女」の山沢義一。
二十二世紀。地球文明は高度に発達し、宇宙ステーションガンマ第3号は、宇宙空間に巨大な雄姿を誇っていた。ある日のこと、宇宙船の司令官エリオット少佐は、地球に向って突進する正体不明の惑星を発見した。電子計算機によると十時間後には地球に激突するという。地球では、すぐさま小惑星の爆破計画がたてられ、ランキン中佐が、爆破隊長として国連宇宙センターから派遣された。ランキンとエリオットは、兄弟のように仲が良かったが、女医ルイズをめぐる恋愛問題で、今はすっかり仲たがいをしていた。爆破隊は小惑星フローラに出発。見事小惑星を爆破した。しかし、宇宙船はガンマ第3号に無事戻ったものの、船体に附着した緑色の物体を持ち帰っていた。やがて、この物体は、ガンマ第3号の電気エネルギーを吸収し怪獣に成長した。乗組員はしーザー銃でこの怪獣と闘ったが、自ら傷を治す能力をもった怪獣は平然としていた。しかも怪獣は緑色の血液から続々と怪獣を誕生させ、ガンマ第3号は次第に占領されていった。負傷者を地球に送り戻すことでエリオットとランキンが対立した。ルイズの申し出を、ランキンは地球まで汚染させては、と拒絶したのだ。やがて、怪獣を死滅させるため大気圏突入の計画が練られた。宇宙船ごと焼失しようというものだった。乗務員は次々と小型宇宙船で宇宙空間へ避難し、ランキンは、ガンマ第3号の自動運転装置に切換えるため。最後まで残った。しかし、船内には怪獣がすでに充満していた。ランキンは危機一髪のところをエリオットに救出された。だが、エリオットは逃げ遅れガンマ第3号もろとも大気圏に突入していった。空間に青く浮かぶ平和な地球。ランキンとルイスはエリオットの功績をしのびながらいつまでも地球を眺めていた。
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