真山知子
潘金蓮
中国の古典『金瓶梅』を素材にしたもので、上田学而の原訳(人物往来社版)を、大和屋竺が脚色し、「壁の中の秘事」の若松孝二が監督した。撮影は伊東英男。
中国は宋の時代。武松は人喰い虎を退治して一躍名をあげ、警備隊長になった。兄の武大と会って仕官を祝った時、武松は兄嫁潘金蓮の美しさに見とれてしまった。金蓮の美しさにひかれたのは、富豪西門慶も同様であった。西門慶は金蓮を手に入れるため、金蓮に武大を毒殺させてしまったのだった。そのころ武松は梁山泊の水滸党と戦っていたが、兄の死を知り愕然となった。役人に西門慶の犯罪を訴えても、証拠がないと一蹴されてしまった。怒った武松は西門慶の家に乗り込んだが、その時に西門慶と結託した小役人を投げ殺し、牢送りになった。そんな武松を、西門慶はせせら笑って見送るのだった。西門慶は根っからの遊び人で、女中や芸者はもとより、町の女房、後家にまで手を出す男だった。そんな有様だったから、富豪の第五夫人におさまった金蓮も空閨をもてあまし、美少年を引き入れ、情事に耽っていた。ある日、西門慶は金の力で官職を買いとり、隣人の女房李瓶児に目をつけると、夫を殺して手に入れてしまった。そのあいまに、西門慶は侍女の春梅とも関係を持ち、情痴の限りをつくしていたのだ。一方、獄中の武松は西門慶の放った刺客に襲われたが、水滸党に助け出され、自らその一員に加った。官吏の腐敗ぶりにあきあきしていたからでもあった。武松脱獄の知らせを聞いた西門慶は、彼の復讐を恐れ、ますます、酒と女におぼれていった。やがて、武松は水滸党を引きつれ、町に攻め込んできた。激しい攻防の末、武松は兄の仇西門慶を刺殺した。その時現われた金蓮は、武松こそ永遠の恋人と抱きつくのだった。しかし武松は、金蓮が恍惚とする間もなく、その白い胸を刀で刺し貫いたのだった。その後も戦乱ばつづき、宋は滅びたが、神出鬼没の水滸党の中には、いつでも豪傑武松の姿が見られたという。
潘金蓮
武松
西門慶
李瓶児
春梅
呉月嬢
李嬌児
孟玉楼
孫雪蛾
小李広花栄
花和尚魯智深
黒旋飛李逵
青面獣楊志
九紋竜史進
母夜叉孫二嬢
応伯爵
王婆
武大
鄲哥
知県
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