三木のり平
大森鉄平
小幡欣治の戯曲『あかさたな』を、「雪夫人繪圖(1969)」の成澤昌茂が脚色・監督した喜劇。撮影は「ごろつき」の飯村雅彦が担当した。
大森鉄平は、妾21人を囲う精力絶倫の男である。それぞれに牛鍋屋“あかさたな”を経営させ、毎日、売り上げ金を集めに各支店めぐりをしていた。だが妾たちは、いずれも女盛り。月一度ぐらいの夜の勤めでは納得せず鉄平の奪い合いや浮気が絶えなかった。そんなある日、鉄平は浅草支店の見廻りの途中で、吉原遊郭から逃げだした女郎を助けた。遊女の名は小雪。鉄平は彼女に惚れ込み、早速身受けをすると十六番支店で働かせた。ところが、妾たちは大むくれ、連判状をつきつけ夜の勤めを拒否した。だが、鉄平は美しい小雪の旦那気分に酔い、妾たちの言い分などに耳を貸そうとはしなかった。鉄平の妻きよが死んだのはそんな折りだった。お蔭で鉄平の周辺はますます混乱し、本妻の座を目指してひでとあさが対立した。しかし、鉄平はそんな二人に無頼着。年功序列でと最長老のつねを本店に引取り、新婚旅行に発っていった。“大島行き客船沈没”の号外が乱れ飛んだのはその翌朝だった。やがて、遺骨が届けられ、妾衆の前で、鉄平の遺言状が公開された。妾たちは各支店を与えられて狂喜したが、分け前として、小雪が遺産金を受けとると不満をぶちまけるのだった。その時、様子を伺っていた一人の男が怒鳴りこんだ。死んだはずの鉄平だった。彼は大島で漁師の娘むるに助けられ生きていたのだ。鉄平は、やがて純真な小雪を恋人の学生と一緒にさせ、再び商売繁盛と妾たちの幸せにつとめるのだった。
大森鉄平
大森きよ
うめ
なみ
赤沢あさ
真中すず
染谷のえ
浦川市太郎
袋田ひで
涌井つね
水島くめ
水島まち
潮田むる
折原敬吉
本庄潔士
松江思成
東六
段七
真中一二三
染谷鉄士
鉄六
往来の男A
往来の男B
往来の男C
銀波楼の若い衆A
銀波楼の若い衆B
銀波楼の若い衆C
銀波楼の若い衆D
銀波楼の若い衆E
号外売り
岩谷天馬
立花小雪
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