渥美清
車寅次郎
「男はつらいよ」の山田洋次が、小林俊一、宮崎晃と共同で脚本を書き、山田が監督したシリーズ第二作。撮影は、「喜劇 女は度胸」の高羽哲夫が担当。
フーテンの寅こと車寅次郎は、故郷・葛飾を離れ、弟分の登としがない稼業を続けていた。そんなある日、北海道でうまい仕事があるとの知らせに出発したが、途中なつかしい妹さくらや、おじ、おばの顔みたさに東京で下車したのが運のつき。茶一杯で退散と決心したが、中学時代の坪内先生の家の前を通りかかり、懐かしさの余り、玄関先で挨拶のつもりが、出てきたお嬢さんの美しさに惹かれ、さっきの決心もどこへやら、上がりこみ、飲むわ食うわがたたって、腹痛を起こし、病院へかつぎこまれた。苦手の注射を打たれて卒倒し、一週間の入院を命じられた。その上、退屈そうな入院患者相手に香具師の実演をやらかし、藤村医師に見つかって言い争いをしたあげく、登と食事に出たまま病院には戻らなかった。が、焼き鳥屋で無銭飲食の疑いをかけられ、大喧嘩の末に留置所入りの破目になった。さくらは泣くやら、おじとおばは怒鳴るやらで、逃げるように柴又を後にする。北海道の仕事はうまくいかず、再び登と本州に戻った寅は東京を素通りして、関西に来た。仲間から母親が関西にいると聞いていた寅は、偶然、坪内先生と一緒に買物をしているお嬢さんと出会った。お嬢さんに促され会いに行ったところ、その母親は、寅の夢の中に出てくるやさしい母親と違い、厚化粧をし、三流どころの連れ込み宿を経営する女だった。38年ぶりの再会を嘆いた寅は、そのまま坪内父娘と柴又に帰京。半月後、先生は他界し、寅が世話になった病院の藤村医師とお嬢さんの結婚を聞いた寅は、またも悲しみに打ちひしがれ、詑びるお嬢さんの言葉を胸に、登とともに柴叉を後にするのだった。
車寅次郎
車竜造
車つね
諏訪博
川又登
さくら
坪内散歩
坪内夏子
お菊
藤村努
源吉
桂枝太郎
ホテル従業員・お澄
御前さま
患者
社長の妻・小春
監督、脚本、原作
脚本
脚本
製作
撮影
音楽
美術
編集
照明
録音
助監督
製作主任
企画
主題歌・唄
スチル
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