高倉健
石山中尉
萱沼洋の原作を、北村勉が脚色し、「男の挑戦(1960)」の島津昇一が監督した、駆逐艦を舞台にした戦争もの。撮影は「十七才の逆襲 向う見ずの三日間」の林七郎。
昭和十七年末。石山中尉は戦艦大和から第一線を志願し転任した。ラバウル基地へ物質補給の任についた駆逐艦「黒雲」の機関長付となった。「黒雲」は石山の想像とはかけ離れていた。ウィスキーグラスをなめる司令の剛田や、口三味線の春木二水など軍規のグの字もなかった。剛田はこの仲間たちの集りを自ら黒雲一家と名づけていた。石山もまた、剛田からその盃を貰った。グラマンが急襲した。いざ戦闘、「黒雲」は形相を一変した。石山は黒雲一家の真の姿を目のあたり見せられた。石山は始めて実戦を知った。敵潜水艦の襲来。石山は見事な働きをした。「黒雲」は魚雷から逃れ、敵潜水艦を撃沈した。「黒雲」はラバウルへ投錨した。乗組員は半舷上陸を許された。石山は、宇田参謀に言いよられている女性を得意の空手で救った。彼女は石山と昔なじみの芸者紫香だった。今は料亭小松の養女となり、名もタカという本名に返っていた。が、二人は別れなければならなかった。「黒雲」はラバウルを後にした。石山は大尉に昇進した。「黒雲」は傷ついた船体を佐世保に横たえた。石山は部下を引きつれ料亭小松に上りこみ、再出撃自祝壮行会を催した。そこへ、宇田参謀が駈けこんできた。士官の使用する料亭へ下士官や兵が上りこんだといってつめ寄った。宇田は石山を上官侮辱罪として身柄を拘留させた。タカを連れてきた剛田が、強引に石山を釈放させた。石山は、菊水特攻作戦に出撃することになった。大尉襟章をひきちぎり、タカに遺品として与えた。昭和二十年四月七日、「黒雲」は日向沖海戦に突入した。大和に移った剛田は、艦が沈没し、漂流するところを「黒雲」に救われた。日本艦隊は全滅に近かった。が、「黒雲」はまた敵巡洋艦に向っていった。
石山中尉
剛田艦長
永野艦長
水雷長
砲術長
航海長
軍医長
寺田機関長
南兵曹
大野兵曹
野呂金太郎兵曹
和田二水
松本二水
先任伍長
補機長
宇田少佐
白井少将
司令長官
参謀長
通信部伝令
衛兵隊司令
衛兵隊付少尉
酔っ払い応召下士官
タカ
志津
女中
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