梅宮辰夫
正木記者
「生き抜いた十六年 最後の日本兵」の甲斐久尊の脚本を、「十七才の逆襲 向う見ずの三日間」の日高繁明が監督した特撮もの。撮影は荒牧正が担当した。
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ストーリー
十五年前広島に投下された原子爆弾の記録映画を見た、美栄、彰二、茂夫、信彦達高校生は慄然とした。原水爆の恐怖は彼らを日本脱出の冒険にかりたてたが、途中台風に襲われた一行は下田沖で辛うじて救助された。若い新聞記者正木には看護婦の知子という恋人がいた。結婚を語り合う二人に、ニュースは、韓国上空で米軍輸送機が突如核爆発を起したことを告げた。韓国はこれを三十八度線を越えるためのアメリカの挑発行為だと主張した。第三次世界大戦の導火線は点火した。正木は取材にとび出した。国連は急拠安保理事会を開いた。横須賀では米軍第七艦隊が非常呼集をかけた。北京放送は中国上空に侵入したＵ3型機の撃墜を伝えた。東京の上空は基地を飛び立つジェット機で一杯だった。デパートには買い占め客が殺到し、自衛隊には防衛出動及び治安出動の命令が下った。美栄の父、東京重機専務の市村は家族と共に自家用車で東京脱出を計った。茂夫の父は混乱の中を、市村の車にはねられて死んだ。医者さえも避難に追われてかえりみなかった。知子は負傷した子供の手当に努めていた。汽車も止まった。道という道は避難する車と自衛隊の戦車で溢れていた。掠奪と暴行が行われた。ラジオから、十二分後に日本の基地に水爆の反撃を加えるというモスクワ放送が流れた。死んだように静まり返った東京に、閃光はひらめいた。議事堂も、東京タワーも、ビルも吹き飛んだ。廃墟となった街に、原子雲がいくつも盛り上った。逃げおくれた茂夫と姉は死体となり、美栄や市村は死の灰を浴びた。正木も知子の死体を抱いて息絶えた。パリ、ロンドン、ニューヨーク、モスクワ、世界の主要都市はすべて米ソの核弾頭ロケットの下に崩れ落ちた。勝敗のないこの戦争の終結を告げるアルゼンチン放送が、黒い雨にぬれた街々に流れた。
キャスト
三田佳子
藤本知子
藤島範文
沢本茂夫
加藤嘉
沢本耕三
故里やよい
沢本静子
石島房太郎
市村良一
風見章子
市村喬子
亀石征一郎
市村憲一
二階堂有希子
市村美栄
大源寺英介
彰二
杉本昭
信彦
織本順吉
森本カメラマン
上野すみ恵
とし子
光岡早苗
秋子
佐原広二
昌一
増田順司
殿村
星美智子
恵子
斎藤紫香
内閣官房長官
高根黎子
バーの女
ジョージ・ファーネス
アメリカ統合参謀本部長
アンドル・シューズ
英国戦略家××中将
月村圭子
女アナウンサー
安城百合子
病院の看護婦
菅沼正
横須賀出張所長
仲原新二
新聞記者Ａ
牧野狂介
新聞記者Ｂ
田川恒夫
新聞記者Ｃ
滝沢昭
東京重機ＫＫ社員
大野広高
倒れる男
神田隆
大塚先生
竜伸之介
平壌放送アナウンサー
ヴァージル・ハートン
ソ連××中将
片山滉
病院の医師
志摩栄
幕僚
滝謙太郎
或る病院の医師
石森武雄
上級生後藤
滝川潤
上級生小川
関光夫
ラジオの声
コラム・インタビュー・イベント
ニュース
作品データ
[c]キネマ旬報社
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