片岡千恵蔵
浮世捨三郎
前篇と同じスタッフ及びキャストである。
根岸の伊丹屋寮では鬼畜外道な斎信から女たちを救うため捨三郎が駆けつけ剣を抜いて闘ったが、捕方が現れたため双方がまず手を引いてしまった。けれどこの衝撃のため病気の小品は弟要吉のことを捨三郎に托して世を去った。小品の初七日の日に、国元から早飛脚で弟太輔が幽閉されたと知った捨三郎は弟を救うため明石へ旅立つことにしたが、その前に策をもって、右源太の掌中に陥入っていた小稲を救い出してやった。捨三郎の旅立ちと、そのあとを追う小稲、お美代、要吉のあることを知った右源太は斎信と共に捨三郎の先を越して国入りを急いだ。そして通行禁止の尾州領の假番所で偽りの申立てをしたために捨三郎と伝次は捕らえられたが、後から来た小稲たちの言いひらきで解き放たれた。美代は膳所に本陣を張る斎信の手にかかって殺された。捨三郎は逃げる斎信を追うが、斎信は獵師多九郎の凶弾に倒れた。右源太は斎信の死を利用して捨三郎を陥入れようと最後の非謀を企むが、これも捨三郎のために破られ、大輔は無事救われて明石の城に喜びの春がおとずれた。捨三郎、伝次、小稲、要吉の一行はたのしく再び江戸へ向うのだった。
浮世捨三郎
小稲
油屋伝次
小品
要吉
お美代
お松の方
松平斎信
大内右源太
佐平
万七
遠山左衛門尉
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