久我美子
アコちゃん
朝日放送の連続ラジオドラマ、京都伸夫作『アコの贈物』の映画化で、企画は「大仏開眼」の辻久一。脚色監督を「足にさわった女(1952)」の市川崑が担当し、共同脚色は和田夏十、音楽黛敏郎、ともに「足にさわった女(1952)」の顔ぶれである。撮影は「腰抜け巌流島」の武田千吉郎。「二つの処女線」の久我美子、「牛若丸」の水戸光子、「千羽鶴(1953)」の森雅之、「勘太郎月夜唄」の堀雄二らをたすけて津村悠子、望月優子、大伴千春、伊藤雄之助、平井岐代子、近衛敏明、荒木忍等が助演する。
大阪郊外あやめケ池の住宅地。--H大の万年助教授鳥羽さんは新聞社の文化部顧問、身の上相談担当者、婦人同盟役員、家事審判所調停員、加えて某女学校講師という近子夫人の前に頭が上らない。上らないままに保たれていた勢力均衡は、近子夫人の姪で三重の実家を飛出してきたアコちゃんなる闖入者によって、俄然、破られた。まずこのやんちゃで悧口な家出娘の実家送還を仰せつかった鳥羽さんは、途半ばにして逆に煽られ、元の教え子、PPPグラフのキャメラマン天平君や大学生秋山君の応援も得て、意気俄かに揚り、アコちゃんの鳥羽家居住権獲得の件を厳重に談じ込むべく、我が家に舞いもどった。が、近子夫人の一にらみ。--頼みの応援者はとたんに逃げ、鳥羽さんは立往生した。機智を働かせてどうやら居住権は認められたものの、それ以来アコちゃんは鳥羽さんの主権奪回の必要を肝に銘じた。天平君を引っ張りだして練り上げた秘策のあの手この手は夫妻の大激論、鳥羽さんの家出騒ぎまでもたらしたが、やがてアコちゃんの機転と善意が勝ちを占め、一家の空気は明るく、屈托ないものとなった。
アコちゃん
近子夫人
天平君
鳥羽さん
女中鈴江
野呂夫人
女代議士
マダム星子
PPP編集長
野呂ドクター
評論家
アコの父
小説家
文化部長
秋山
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