花と竜 第一部
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花と竜 第一部

1954年3月3日公開、135分
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読売新聞連載の火野葦平の原作を「家族会議」の池田忠雄と「太平洋の鷲」の橋本忍が脚色し、「愛染道中 男の血祭」の佐伯清が監督している。撮影は「母系図」の西川庄衛、音楽は「赤線基地」の団伊玖磨である。出演者は「叛乱」の藤田進、「日の果て」の島崎雪子、「鬼伏せ街道」の山根寿子、「続々魚河岸の石松 大阪罷り通る」の星美智子、「心臓破りの丘」の滝沢修など。

ストーリー

四国の片田舎の百姓の伜に生れた金五郎は、一生を故郷の密柑畠で過すには余りに夢と野望が大きすぎた。ある日江戸の無宿者般若の五郎と鉄火女お京に会ったのを機縁に、勇躍故郷を後にして、関門海峡の沖仲仕の群に身を投じた。だが一徹な金五郎は親分の非人間性に憤激し、その頃知り合った森新之助や谷口夫妻ともども彦島に渡った。ここでも金五郎は、彼をひそかに慕う情熱の女谷口マンが因で、親分吉田と紛争を起し、北九州の戸畑の港へ新しい人生の旅を踏み出した。この時仲裁を買った新之助は無頼漢を斬って司法の手に捕えられたが、金五郎はマンと結れた。二人の苦闘は三年後、金五郎を土地の各親分衆の信頼の的にした。一日忽然と現われたかつての女刺青師お京は金五郎に惹かれ、恋のしるしの昇り篭の刺青を彼の左腕に彫りこんだ。その霊験か、パナマ丸積出しには、古参仲仕角助を打負かし、玉井組を創立したが、以後角助の恨みを買う事となった。日頃彼に敵対する友田喜造一派と金五郎の手打ちの日、又しても彼は料亭飛鳥でお京に邂逅した。しかもその料亭は刑を終えた新之助が経営していた。が、その夜、金五郎は角助達に襲われ、角助を討ち果しはしたが、傷ついた彼は虫の息となって倒れた。マンの必死の看護を見たお京は佗びしく東京へ去った。奇蹟的に死より救われた金五郎は、新たな闘争と信念に充ちて、初夏の陽を洞海湾をマンと二人で見渡した。

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作品データ

製作年
1954年
製作国
日本
初公開日
1954年3月3日
上映時間
135分
製作会社
東映東京


[c]キネマ旬報社