トニー谷
戸仁井谷吉
トニー・シリーズ“家庭の事情”第四作。スタッフは第三作と同じで、第一作「家庭の事情 馬ッ鹿じゃなかろうかの巻」の春風すみれと宝塚の桜間秀子、水代玉藻、若竹笙子のほか、前作と同様の顔ぶれが出演している。
坂巻敬介氏の経営する桜カ浜の海浜ホテルは、水爆マグロが陸揚げされて以来、すっかりサビレていた。坂巻に宣伝手腕を見込まれてやって来た太平洋宣伝会社々長戸仁井谷吉は、唯一人の社員五郎をバタフライ泳法のチャンピオンに仕立てて、模範水泳エキジビション大会を開いた。この催しの成功のために、坂巻の令嬢冬子は谷吉達に感謝と好意を寄せたのでかねて冬子を狙っていたホテルの支配人黒井は、谷吉の第二回の催し、水着コンクールを入墨の男達を使って混乱に陥れた。かくて谷吉は名誉挽回の企画としてミスター・ネチョリンコンを招いた。ネチョリンコン氏は世界一の大金特、色男で妻を捜し歩いているという評判だった。舞台で彼とラヴ・シーンを演じて気に入った娘を選ぶことになった。現われたネチョリンコン氏は戸仁井に瓜二つ。柔剣道の達人ユリは、短気を起し暴力で彼を従わせようとしたので鐘一つで不合格。ミツ子のめんめんたる口説きは鐘二つ。最後の冬子はアイブラユーの一言で見事鐘三つを鳴らした。ところが黒井はパーティの席から冬子を拐ってモーターボートで逃げた。戸仁井は後を追い、珍活躍の末冬子を救った。そしてネチョリンコン氏は溺死したと告げ、彼女の愛を戸仁井にひきつけようとしたが、冬子は亡き彼を思って頑として受付けない。見事にふられた戸仁井は、これはいつもの役と違う、作者の焼餅だと泣き顔になる。
監督
原作
撮影
音楽
美術
編集
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助監督
製作主任
スチール
脚色
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