四代目坂田藤十郎
森蘭丸
「美男お小姓 人斬り彦斎」の八住利雄の脚本を、小林桂三郎が第一回フィチュアとして監督、「次郎長外伝 秋葉の火祭り」の横山実が撮影する。「美男お小姓 人斬り彦斎」に次いで中村扇雀が主演し、「坊っちゃん記者」の山村聡、「怪猫逢魔が辻」の坂東好太郎、「おふくろ(1955)」の宇野重吉、「姿三四郎 第二部(1955)」の宮城野由美子のほか村瀬幸子、宮城千賀子などが出演。
天正十年、近江安土城による信長は、国内を半ば平定し、海外雄飛を考えていた。彼が寵愛の小姓蘭丸は、明智光秀の拠る宇佐山城の前城主の子供で、かつて光秀が父を見殺しにした事を恨んでいた。信長の愛妾おふじの方の侍女おたきと蘭丸は互に心を惹かれたが、信長もまた一夜彼女に夜伽を命ずる。然し反抗するおたきを見ると、彼は何事もなく手をひいた。蘭丸を嫉む虎丸等小姓達は竹丸の制止も聞かず、彼の命を狙ったが、蘭丸はおたきに助けられ二人は初めて愛情を告白した。そのころ蘭丸は光秀が心正しく情に厚い武将であるのを知って恨みは晴れた。信長は蘭丸の将来を思っておたきに城を下らせた。徳川家康の接待役を仰せつかった光秀は急な暖気のため魚が腐り、怒った信長から近江丹波の五十四万石を取上げられた。信長の本心は光秀の正しい心と勇気を認めながら、気が合わぬため憎しみの態度だけを示すのだった。折から毛利征伐の羽柴秀吉から援軍の依頼があり兵を整えて信長は京都へ出た。おたきも蘭丸を慕って京都に現われたが、光秀は出陣の直前、防備のない本能寺に泊る信長を襲った。信長は自害し、蘭丸は安田作兵衛の槍につかれた。加茂川のほとりで血まみれの蘭丸はおたきに発見され、息絶えた蘭丸の上に重って、おたきの体も動かなくなった。
森蘭丸
弟力丸
弟坊丸
蘭丸の母
織田信長
明智光秀
羽柴秀吉
伊集院藤兵衛
安田作兵衛
溝尾庄兵衛
虎丸
寿丸
時丸
竹丸
おたき
おふじの方
美加
渚
楓
侍女A
侍女B
侍女C
町人A
町人B
馬子A
馬子B
祐筆頭
京屋の番頭
日本人ポール
黒ん坊たち
家臣
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