チャールズ・ファーレル
Nibs
「月光の曲」のチャールズ・ファーレルが「闇の狂人」のシャーロット・ヘンリーを相手に主演する映画。クリスティン・ジェープ・スレードのストーリーをセイダ・コウアンが脚色し、かつて大監督として活躍したレジナルド・バーカーが監督に当たり、ミルトン・クラスナーが撮影した。助演は「シナラ」のフィリス・バリー、ベリル・マーサー、フレッド・ウォルトン等である。
ロンドンのハイド・パークの一隅の下を住居とし、サンドイッチマンを業として辛くも生きているプラッフィと、アグネスの老人の男女があった。ある夜のこと、失業しているインテリ青年ニブスは、公園の池で溺れようとするアンという娘を救い、この青空天国の仲間に加わった。ニブスは一日労働して得た賃金でアンにさっぱりした衣服を買ってやり、ご馳走も買ってきた。彼の親切に対するアンの感謝の年はいつか愛へと進展していった。ニブスはある日労働法案に関する大道演説の飛び入りして、聴衆から喝采を受けたが、それを議員ラドフォード氏と令嬢ジビルに見られ、ラ氏の選挙運動員に採用された。ラ氏の政見発表会で熱弁を揮ったニブスは反対派の暴徒に襲われて負傷し、シビルの介抱を受けるうち、彼女に想いを寄せるようになった。しかしアグネス婆さんが死んだのが動機で、ニブスは自分が本当に愛しているのはアンであることを悟った。
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