快剣士・笑いの面
快剣士・笑いの面
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快剣士・笑いの面

1956年3月8日公開、91分、コメディ/時代劇
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雑誌「小説と読物」所載の山手樹一郎の原作を「鍔鳴浪人」の高岩肇と「晴姿一番纏」の結束信二が共同脚色し、「旗本退屈男 謎の決闘状」の佐々木康が監督、「名君剣の舞」の松井鴻が撮影を担当した。主なる出演者は「赤穂浪士(1961)」の市川右太衛門、「美女と怪龍」の日高澄子、「ほまれの美丈夫」の伏見扇太郎、進藤英太郎、「旗本退屈男 謎の決闘状」の吉井待子、「名君剣の舞」の薄田研二、新人円山栄子、歌手島倉千代子、胡美芳など。

ストーリー

飄然と下田港に現れた浪人一色左近は春帆楼に入ったが、折しも二階では下田奉行所の志賀主水、勤王志士長谷部監物、商人安南源兵衞が、女密輸業者汪桃蘭を囲んで大量の火薬をせり合っていた。結局、百万両という高価に交渉はまとまらず、争いながら室外に出た主水らは、黒マントの笑いの面を見て愕然とした。笑いの面とは江戸で評判の正義の剣士である。狼狽した下田奉行石原釆女正は笑いの面を捕えた者には褒美を与えると布告する一方、江戸から来た伊庭隼人に監物を暗殺させた。春帆楼での仮装舞踏会の夜、志士司主馬の妹小夜は志賀が桃蘭の支配人ガスタインと火薬売買の相談をしているのを立聴いたが志賀に見つかり、既に危いところを左近に助けられた。春帆楼の踊子お春とその恋人仙吉を脅迫して火薬の在処を知った源兵衞一味は、夜陰に乗じて盗み出そうと企てたが、笑いの面の妨害で失敗した。火薬の無事を喜ぶ桃蘭に左近は、幕府側も勤王側も火薬を狙っているから、安全な場所にうつすようにと勧め、自ら用人棒を買って出るのだった。かくて、五台の馬車は火薬を積んで、奥伊豆に向った。途中、源兵衞一味、勤王志士らが襲うが、いつも笑いの面が現れて、敵を撃退した。笑いの面は湯中の里近くで西郷吉之助に会った時、火薬は勤王側にも幕府側にも渡さないといった。その直後、ガスタインは桃蘭を裏切って火薬を幕府側に売るため、馬車ぐるみ奪って逃走した。千丈カ原でそれを奪回した左近と桃蘭は幕兵に囲まれるが、馬車の火薬に点火して敵中に突入させたため、幕兵は敗走し、隼人らは左近の剣に斃れた。しかし、敵弾を受け、桃蘭は恋する左近に抱かれながら初めて自分は日本人だと打ち明けて息絶えた。彼女は火薬を売った金で、南の果てにいる不幸な日本の女を救いたいのだった。笑いの面が左近だったことは、今更いうまでもない。

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作品データ

製作年
1956年
製作国
日本
初公開日
1956年3月8日
上映時間
91分
製作会社
東映京都
ジャンル
コメディ時代劇


[c]キネマ旬報社