コンラッド・ネーゲル
Winthrop_Boauvel
「ハリウッド・レヴュウ」「接吻」等出演のコンラッド・ネーゲル、「リリオム」のローズ・ホバート、ホバートとともに映画初出演の舞台女優ジュヌヴィエーヴ・トバン及び「がらくた宝島」出演の舞台出身俳優ベイジル・ラズボーンが主演するもの。「トロイ情史」の原作者ジョン・アースキン作の小説「誠実」に基づいて「飛び入り婿君」「モダーン・イヴ」のグラディス・レーマンが脚色し、「恋人」「良人の危険時代」のジョン・M・スタールが監督し、「嵐に咲く花」「高速度尖端娘」のジャクソン・J・ローズが撮影している。助演者は「ベン・ハー(1926)」のカーメル・マイヤース、「ラヴ・パレイド」のエドガー・ノートン、ヴィヴィアン・オークランド及びフランクリン・パングボーンである。
実業家として成功者であるところのウィンスロップ・ボーヴェルの妻イザベルは相当に愛読者を持っている女流小説家であった。彼女には文芸詩想に何の興味も感じていない事業家肌の良人は退屈そのものであった。無感激な家庭生活につくづく嫌気がさしたイザベルは、無趣味な結婚生活を遠慮なく罵倒した一文を草して出版した。ウィンスロップはこれを読んで、筆者がイザベルとは知らず匿名の著者に会見を申し込んだ。イサベルは親友のメリーに旨を含めて著者を装ってよくウィンスロップの考えを確かめてくれと頼んだ。そこでウィンスロップとメリーとは一夕会談したのであるが、豪雨に見舞われたウィンスロップは遂に一夜をホテルで明かすのやむなきに至った。イサベルは良人の不実を責めて荷物をまとめて欧州へ旅立つた。彼女はパリで離婚の手続きを済ませるつもりであった。ところが大西洋航路の定期船中でイサベルはカール・ヴォードリーという全欧州を股にかけている色事師に惚れ込んだので、何よりも離婚を急ぐこととなった。しかしいよいよ離婚が許可になろうという日になってヴォードリーは彼女を捨てて行方をくらましてしまった。憤慨したイサベルは離婚訴訟を願いさげにしてアメリカへ急遽帰った。一方ウィンスロップはイサベルが離婚手続きをしてしまったものと思ってメリーと結婚した。イサベルが帰国した日に新婚夫婦も蜜月から帰って来た。1人の男に対してイサベルとメリーとは争った。自分の結婚は無効であると知ったメリーは辱められた思いで街路にとびだし、自動車の前に身を投げて自殺を図った。が幸いにして軽傷を追っただけであった。イサベルはメリーの愛がより深いことを知り、あらためて良人をメリーに譲べくレノの離婚裁判所へ赴いたのである。
Winthrop_Boauvel
Mary
Carl_Vaudry
Isabel
Sonia
Mrs._Lynchfield
Lawton
Butler
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