ドロシー・レヴィア
Mary
「激浪の響」「閃弾」等と同じくジョージ・B・サイツ氏の監督作品で、チャールズ・ビーハン氏の原作をドロシー・ホウェル女史が脚色したものである。主役を演ずるのは「特性鉄鋼人形」「三人」等主演のマット・ムーア氏と「閃弾」「サブマリン」等主演のドロシー・レヴィアー嬢との二人で、これを助けて「ラ・ボエーム」「明眸罪あり」のロイ・ダルシー氏を始めとして、ロバート・エディソン氏、ハリー・シーメルス氏、ウォルター・P・ルイス氏等が主演している。
ジェフリー・ブレイクは宝石商の秘書であり、また盗難の用心棒でもあった。彼はホノルルへ高額なエメラルドを送るべく委任せられたが、その出発の際に、「金髪の女には気をつけろ」と、金髪の女賊メリーに対する注意を繰り返し繰り返し受けた。さていよいよ船が出帆して彼が散々金髪に心をくばっている折も折、一人の金髪を持った美しい女性が風の如くに現れて彼に話しかけるではないか。で、彼は忽ち震え上がって逃げだした。するとこの女は向きを替え、ジェフリーのエメラルドに目を付けているコスティガンの乾分フランス・ハリーに話しかけ、「妾、金髪のメリーよ」と名乗った。でメリーとハリーの2人は、エメラルド奪取に関して共同戦線を張る事になった。夜になってジェフリー所有のエメラルドをめぐって次々と事件が起こって行った。ところが、この金髪のメリーはジェフリーに想いを寄せる様になったので、仕事を止めてしまったのであるが、ハリーにジェフリーを殺すことを強いられたので、しかたなくジェフリーに麻酔剤を嗅がせてエメラルドを奪い、船が向こうに到着するや否や、姿をくらました。ジェフリーは彼女を探し官憲に引き渡そうとしたが皆目行方が知れなかった。彼はハリーにあい彼女の居所を知り、それを突き止め様とした時に、メリーは再び姿を消した。彼はメリーの跡を追い追いしている内に、何時かコスティガン一味の隠れ家に導かれたので、彼は引き返して警官隊と共にこの隠れ家を包囲し、悪党共を一網打尽とした。さて、警察で尋問が開始せられた時、ここで計らずもメリーの正体が知れた。そも彼女は何者であったであろう?とまれ、ジェフリーとメリーと結婚することになったのである。
Mary
Jeffrey
Harry
Bloode_Marry
Tex
Costigan
Portugee_Joe
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