江利チエミ
磯野サザエ
朝日新聞連載の長谷川町子の漫画『サザエさん』から「大番」の笠原良三が脚本を書き、「次郎長意外伝 大暴れ三太郎笠」の青柳信雄が監督した「江利チエミの サザエさん(1956)」に次ぐ明朗篇。撮影は「美貌の都」の遠藤精一。主演はサザエさんに前作同様、江利チエミのほか、松島トモ子、小畑やすし、藤原釜足、清川虹子、小泉博、青山京子など。
気だては良いがお転姿娘のサザエさんも、この頃は結婚問題について真剣に考え始めた。というのも山高産業に勤める親切なフグ田君のことが忘れられないからだ。ある日、サザエさんは思い切って胸のうちをフグ田君に打明けた。フグ田君も同じ思いだったので二人の心は固く結ばれた。しかしサザエさんのせっかちな性分は、急に淑かになろうと思っても治るものではなく、弟のカツオ君と取っ組合いをしたり、大変なもの。姉弟喧嘩は殆んど年上の方が怒られる。サザエさんもその例で、お彼岸の御進物用のおはぎを妹のワカメからカツオたち腕白小僧どもが横どりしてしまったので、サザエさんが怒っていると、かえって事情を知らぬお母さんに大きな声を出してと注意されたり、カツオの顔に墨をつけたまま気づかずに外出したりする。フグ田君と会って十日程後のある日、フグ田君がお母さんを連れてサザエさんの家へ来た。ところが生憎その日、サザエさんのおデコにはコブができていた。そのコブは、隣のメロドラマ作家、伊佐阪難物先生を、従兄のノリオ君と訪ねたとき、先生の居ない間、散々にその悪口を喋ったため殴られてできたものだった。だが、サザエさんは額のコブに絆創膏を張って、いとも淑やかにフグ田君とお母さんの前に現われた。お母さんはサザエさんが気に入ったようである。サザエさんの父母とフグ田君母子が縁談について話しているのを、サザエさんは隣室で胸をときめかして聞いていた。ところが熱心に聞く余り、つい力が入ってサザエさんは襖を破り、皆の前に倒れ込んでしまった。フグ田君のお母さんは呆れて帰る。しかしサザエさんの真心はフグ田君のお母さんに認められ、こんな健康な娘はいないとまで思われるようになった。一家の笑い声にまじってサザエさんがノド自慢で取った賞品の仔豚までが賑かな鳴き声を立てていた。
磯野サザエ
磯野ワカメ
磯野カツオ
サザエの父親
サザエの母親
ノリオ君
フグ田君
フグ田君の母
ミチ子
山中老人
山中老夫人
横向さん
横向夫人
伊佐阪難物
伊佐阪軽子
多胡夫人
多胡いね子
多胡たかし
富田千代子
富田夫
吉井きみ子
吉井夫
山下ふさ江
山下夫
中村先生
三吉
田舎の夫
田舎の妻
監督
原作
製作
撮影
音楽
美術
美術
編集
照明
録音
助監督
製作担当者
スチール
脚色
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