池部良
八郎
池田一朗の原案により、「最後の脱走」の谷口千吉と木村武(1)が脚本を書き、同じく谷口千吉が監督したアクション・ドラマ。撮影も同じく「最後の脱走」の山田一夫。主演は「脱獄囚」の池部良、家田佳子、佐藤允、「初恋物語(1957)」の新珠三千代。
蜂屋の大作と萠子父娘は今年もたくさんの巣箱をトラックに乗せて、甚六の牧場にやって来た。そのトラックに忍びこんでいた八郎という首にネッカチーフをまいた若い男から働き口を頼まれて、大作はしぶしぶ承知した。八郎は「仲間のヤクザに追われて……」と語るだけで、よく働いた。甚六の娘弘子は気の強い女で、八郎と接する機会が多くなるのを、牧童頭の野島は嫉妬した。ある日ピストルを持った二人の男が現れたが、甚作の助けで八郎は難を逃れた。八郎は甚作父娘に迷惑がかかるのを恐れて、牧場を去る決心をしたが、甚作は引きとめた。八郎の残るのを知ってホッとしている弘子に、八郎は首のネッカチーフをとって傷痕をみせた。それは親分の女と心中して生き残った時のもので、今はその乾分たちに狙れているのだった。牧場の名馬イサハヤが失踪する事件が起った。野島はイサハヤに乗れるのは、自分の他に八郎しかいないのを知って、犯人は八郎だと、きめつけた。怒った大作は牧場を去ろうとしたが、八郎には我慢出来なかった。山を越え谷を渡ってイサハヤを探す八郎は、とうとう野島の情婦キヨが洞穴内に隠しているのを発見した。八郎がイサハヤを連れて牧場にもどって来ると、甚六の息子陽一が破傷風にかかり大騒ぎしていた。折からの台風に町からワクチンを取寄せることも出来ず困っていた。八郎は牧場に隠れていた安西やケンとの格闘から逃がれて、イサハヤに飛び乗り町へ走った。岩陰にひそんで牧場にもどる八郎を待伏せる安西たちはピストルで狙い撃った。傷ついた八郎はネッカチーフで薬を馬の首にしばりつけて牧場に走らせた。八郎の身をきづかう弘子の声が近づくのを聞きながら、八郎は気を失っていった。
八郎
剣持大作(蜂屋)
剣持萠子(大作の妻)
柴田甚六(牧場主)
柴田とめ子(甚六の妻)
柴田弘子(甚六の長女)
柴田陽一(甚六の長男)
野島(牧夫頭)
キヨ(野島の情婦)
安西(黒メガネの男)
黒田(安西の乾分)
ケン(安西の乾分)
権三(柴田家の下男)
水野(獣医)
監督、脚色
原案
製作
撮影
音楽
美術
編集
照明
録音
助監督
製作担当者
脚色
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