片岡千恵蔵
清水の次郎長
昨年の「任侠清水港」以来、恒例の東映新春オールスター映画。「天狗街道」の比佐芳武の脚本を、「恋風道中」の松田定次、川崎長太郎が監督、撮影。「はやぶさ奉行」の片岡千恵蔵、大川橋蔵、千原しのぶ、「朝晴れ鷹」の大友柳太朗、「恋風道中」の中村錦之助、「佐々木小次郎 (前篇)(1957)」の東千代之介等が主演。イーストマン東映カラー。
清水港の清水次郎長は、一家二十八人衆を引きつれて、東海道の秋葉祭にのりこんだ。それというのは、乾分増川仙右衛門の伯父を殺し、女房のおしまを拐かした沼津の三人組が、諸国の貸元たちが賭場を開く、この界隈に現れるのを知ったからだった。次郎長は、貸元大和田の友造を仲にたて、安五郎にかけあったが、三年前、三人の盃を水にしたとつきかえす安五郎や、安濃徳次郎、丹波屋伝兵衛たちの罵倒を浴びて引下った。甲州では桶屋の鬼吉が、安五郎一家に押しかけたが、すでに旅に出た後だった。もうこれまでと次郎長一家は安五郎を斬って、安濃徳らを追って府中と三州の二派にわかれた。大政、小政の三州組は、平井の雲風一家の火攻めにあって、寺津に待つ次郎長一派と落ちあった。吉良の仁吉は、次郎長の乾分で若い神戸の長吉のために、伊勢荒神山の縄張り争いを買って出た。仁吉は相手の安濃徳が武井の安五郎や雲風一家と肚を合せて、清水一家に楯つく魂胆と見破った。仁吉は清水一家や長吉のために、女房きくの兄安濃徳との縁をきるため、きくに三下り半をつきつけた。そして清水一家の先頭に立って、荒神山に駈けつけた。死闘をくりひろげる果し合い。仁吉は雲風の亀吉を斬り、丹波屋伝兵衛を刺したが、自らも飛道具のまえに倒れ、全員の無事な顔、沼津の三人組を打って喜ぶ仙右衛門らに見護られながら、安濃徳だけは許してやってくれといって息絶えた。駈けつけた次郎長は、「吉良の仁吉は富士の山にも似た男の中の男だった」とつぶやいた。
清水の次郎長
大政
小政
大瀬の半五郎
法印大五郎
桶屋の鬼吉
増川の仙右衛門
大野の鶴吉
神戸の長吉
久井の才治郎
寺津の間之助
大和田の友造
おしま
千代吉
おきく
お竹
お相撲常
鼠小僧の喜代蔵
小川の勝五郎
小栗の初五郎
伊達の五郎
江尻の藤太郎
田中の啓二郎
とば熊
石屋の甚吉
武州の清五郎
形ノ原の斧八
三吉
津向の文吉
仙吉
勘介
勇造
寅吉
藤吉
清六
新井の新太
大八
勘八
金太
宗右衛門
松屋太兵衛
長七
忠吉
作兵衛
妙光
おかね
茂兵衛
七右衛門
甚吉
与吉
善六
安濃徳次郎
角井門之助
福山喜八郎
神沢の小五郎
勝沼の平吉
手島の久五郎
祐天仙之助
丹波屋伝兵衛
雲風の亀吉
熊太郎
武井の安五郎
吉良の仁吉
監督
脚本
製作
撮影
音楽
美術
編集
照明
録音
企画
企画補佐
企画補佐